牛丼の「吉野家」ラーメン店運営のキラメキノ未来を子会社化 ラーメン関連は4社目

牛丼の吉野家ホールディングス<9861>は2025年1月7日に、鶏白湯ラーメン、台湾まぜそばを主力とするラーメン店「キラメキノトリ」などを展開するキラメキノ未来(京都市)を子会社化する。

ラーメン関連のM&Aとしては2024年5月のラーメン店向けに麺やスープなどを製造する宝産業(京都市)の子会社化に次ぐもので、2016年のラーメン店「せたが屋」を運営する、せたが屋(東京都世田谷区)、2019年のラーメン店「ばり嗎(ばりうま)」「とりの助」を展開するウィズリンク(広島市)を含め今回が4件目となる。

キラメキノ未来は京都府、大阪府、奈良県、滋賀県で22店舗を展開しており、子会社化によって吉野家のラーメン事業の店舗数は国内95店舗、海外34店舗の合計129店舗になる。

吉野家は、ラーメンを牛丼の「吉野家」、うどんの「はなまるうどん」に次ぐ事業の柱と位置付け強化しているが、店舗数では吉野家の1229店舗(2024年2月末時点の国内店舗数)、はなまるうどんの418店(同)に比べると見劣りがする。

傘下に収めたラーメンブランドの出店と並行して、新たなラーメン店のM&Aは今後も続くと見てよさそうだ。

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キラメキノトリの国内外での成長を加速

キラメキノ未来は2013年に京都の河原町丸太町にキラメキノトリ1号店をオープンしたあと店舗数を増やし、2016年(店舗数5店舗)に店舗数を30店舗に拡大する「30店舗プロジェクト」を発表、出店を加速してきた。

2023年9月期の売上高は12億円で、同社の久保田雅彦代表取締役は「唯一無二のラーメンチェーン店を目指して日本中に“キラメキ”を広げたい」としており、さらなる拡大に意欲を見せている。

吉野家ではキラメキノ未来を傘下に収めることで、ラーメン事業の成長につながるとするとともに、吉野家グループが保有する国内外の経営資源やネットワークを幅広く活用することで、キラメキノ未来の「国内外での成長加速が見込まれる」と、出店を支援する計画だ。

また、キラメキノ未来は、吉野家が2024年5月に子会社化した宝産業から商材を調達しており、両社によるシナジーの創出も可能としている。

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吉野家ホールディングスのラーメン関連のM&A

カレーやから揚げの専門店を開業

吉野家では、ラーメン事業を経営の第3の柱に育てる取り組みと合わせて、多様なニーズに応える新業態の開発にも力を入れており、2024年12月にはカレー専門店の「もう~とりこ」と、から揚げ専門店「でいから」を開業した。

同社では日本発の外食ビジネスの事業展開にM&Aを活用する方針で、ラーメンはもとよりカレーやから揚げなどラーメンに続く柱の育成にもM&Aの出番はあるかもしれない。

文:M&A Online記者 松本亮一

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