17歳で脳腫瘍になった少女 不安を消し、回復を助けたのは「病院猫」だった 英国
医者と看護婦に診察される若い女性

突然の脳腫瘍で、緊急手術

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脳の大手術を終え回復を待つ17歳の若い女性にとって、病院にやってくる猫が力強い味方になりました。

Amber O'Gormanさんは2024年3月に脳腫瘍と診断され、英国ケンブリッジにあるAddenbrooke's病院で治療を受けました。

「ここの看護婦さんからHenryのことを聞きました。

病院をうろついている茶トラの猫です。ぜひ会ってみたいと思いました」というAmberさん。

猫のHenryは9歳くらい。ここ数年ずっと病院を訪ねてやってくるのだそうです。

「ぜひ抱っこしたいわ。だって、その猫には、入院患者の心細い気持ちを吸い取って、明るく前向きな心にしてくれる不思議な力があるというのですから」

Amberさんがひどい頭痛に悩まされるようになったのは、昨年の12月でした。

「かかりつけ医は頭痛薬を処方してくれましたが、念のため目の検査をしてもらったほうがいいと思い、眼科医に診せたのです」と父親のLeeさんはいいます。

「そこで娘の目の奥が腫れていることがわかりました。すぐに近くにあるHinchingbrooke病院へ行くようにいわれました」

いくつかの検査の結果、脳腫瘍であることがわかりました。そして緊急手術のためにAddenbrooke's病院へ転院したのです。

探していた病院猫との出会い

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聴診器をつけた茶白猫

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「ショックでした。17歳の若さで、まさか脳腫瘍なんて。担当医に泣きながら『まだ死にたくない』と訴え続けました」とAmberさん。

さっそく体液を排出するシャントを挿入され、3月18日に手術が行われました。

「手術では腫瘍の9割を取り除くことができました。手術後は言語が不明瞭になって、体の動きも自由にならない恐れがあるとのことでした。でも実際には、奇跡的なほど早く回復しています。医者も驚いていますよ」とLeeさん。

もう1日中ベッドに寝ている必要もなくなったので、Ambeさんは「病院猫のHenry」を探し始めました。

この猫にはちゃんと飼い主がいて、帰る家もありますが、ここ数年、病院の廊下と食堂をうろついているとか。かわいらしい写真を満載したFacebookページも設けられていて、なんと6500人も登録者がいるというから、驚きです。

医者の勧めを幸いに、Amberさんも院内をあちこち探し始めました。

「しばらくたって、やっと見つけました。すごくやさしい猫です。目の前で横たわり、抱っこさせてくれました。

本当に、不安な気持ちを消し、前向きな気分に変えてくれるすばらしい猫ですね」

そしてAmberさんは3月22日、晴れて退院することができました。手術からまだ数日しかたっていない、とても早い回復でした。

心の奥に入り込める特別な猫

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猫とくつろく少女

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自宅に戻り、飼い猫のOscarとも再会できたAmberさんは、「やっぱりうちが一番です」と語ります。病気になる前は学校で幼児教育の勉強をしていたそうで、9月にはまた復学したいと望んでいます。

病院の広報担当者は、BBCの取材に次のように話しています。

「Henryは特別な猫で、患者さんや職員の心に奥深く入り込むことができる大切な存在なのです。

でも病院としては感染症対策のため、動物セラピーにあたるペット以外の動物は院内に立ち入らせることはできません。ですから、Henryを餌やおやつで病院ロビーに呼び寄せるのは絶対におやめください。この猫の健康にも悪いですしね」

出典:Cambridge hospital cat Henry comforts girl with brain tumour