向井ひかり『ザ・ネイムズ・オン・ザ・ビーチ』 2月19日から 応募総数415件から選出された、第1回BUG Art Award グランプリ受賞者個展
第1回 BUG Art Award ファイナリスト展 展示風景「対岸は見えない」2024年 撮影:志賀耕太

制作活動年数10年以下のアーティストを対象とし、審査員からのフィードバックや、審査過程で展示・設営の相談に乗るなど、成長のためのサポートも行う「BUG Art Award」。第1回でグランプリを受賞した向井ひかりの個展「第1回 BUG Art Award グランプリ受賞者個展 向井ひかり『ザ・ネイムズ・オン・ザ・ビーチ』」が、2月19日(水)~3月23日(日)、東京駅すぐのアートセンターBUGで開かれる。

向井ひかりは、1998年千葉県生まれ、東京都育ち。2022年武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒業。日常で見つける砂粒のようなささやかな出来事も、宇宙で起こる膨大な出来事のひとつと捉え、誰もが日常目にしている素材を組み合わせて作品を制作している。例えば、グランプリを受賞した「対岸は見えない」は、人の目線の高さほどある白い箱の側面や上部に、ストローや砂、鏡といった素材を使った小さな立体作品や、ドローイング、映像が配置されていた。

向井ひかり『ザ・ネイムズ・オン・ザ・ビーチ』 2月19日から 応募総数415件から選出された、第1回BUG Art Award グランプリ受賞者個展

《はやいぬ》2024年 撮影:冨田了平

これまでは木片やガラスなど身近な素材を用いて両手で持てるサイズの作品を制作してきたが、天井高7.2メートルの空間の隅々までを使い、向井にとって最大規模となる新作に挑む。これまでは自身の作品や展示プランについて人に言葉で伝えることが難しかったという向井だが、審査員や芸術学の平倉圭との対談を通じて、新たな視点を取り入れながら、予算の立て方など実務面でも学びを得て、展覧会の設営のプロであるインストーラーとも協働し、プランを具現化していくことができているという。

会期中はトークやワークショップといったイベントも行われる。作品を評価するだけでなく、展覧会をしっかりとつくるところまでサポートが得ながら経験できる丁寧なアワードだ。そのプロセスや成果を見届けたい。

向井ひかり『ザ・ネイムズ・オン・ザ・ビーチ』 2月19日から 応募総数415件から選出された、第1回BUG Art Award グランプリ受賞者個展

《恐竜を襲うウニ》2022年 撮影:柳場大



<開催概要>
第1回BUG Art Awardグランプリ受賞者個展
向井ひかり『ザ・ネイムズ・オン・ザ・ビーチ』



会期:2025年2月19日(水)~3月23日(日)
会場:BUG
時間:11:00~19:00
休館日:火曜
公式サイト: https://bug.art/exhibition/mukai-2025/

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