氷河期を生きたネアンデルタール人とクロマニョン人の実物頭骨を日本初公開 特別展『氷河期展 ~人類が見た4万年前の世界~』国立科学博物館で
クロマニョン1号(クロマニョン人) © MNHN – JCDomenech

現代よりもはるかに寒冷だった4万年前、地球上の広い地域は氷河に覆われていた。この「氷河期」をともに生きたマンモスなどの巨大な動物たちと人類に焦点をあてた展覧会が、7月12日(土)から10月13日(月・祝)まで、東京・上野の国立科学博物館で開催される。

氷河期を生きた生き物たちのなかには、絶滅したものもいれば、生き残ったものもいる。同展は、その命運を分けたのは何なのか、氷河期の謎に迫る展覧会だ。例えば、氷河期のヨーロッパ北部は氷床に覆われ、中央部に乾燥した草原地帯が広がり、「氷河期のメガファウナ(巨大動物群)」と呼ばれる大型の動物たちが君臨していたという。

氷河期を生きたネアンデルタール人とクロマニョン人の実物頭骨を日本初公開 特別展『氷河期展 ~人類が見た4万年前の世界~』国立科学博物館で

ホラアナグマ(生体復元模型) ⒸTobias Schwerdt

ホラアナグマ、ホラアナライオン、ケサイ、ケナガマンモス、ステップパイソンなど、過酷な環境を生きた巨大動物とはどんな生物だったのか、そしてそのなかで何が絶滅し、何が現代まで生き残ったのか。同展では、全身の骨格標本や復元模型によって、巨大動物たちの大きさを会場で体感しながら、その謎に迫る構成がとられている。

一方、氷河期を生きた人類には、ネアンデルタール人とクロマニョン人(ホモ・サピエンス)がいる。だが、がっしりした体格と強靭な筋肉をもっていたネアンデルタール人は4万年前までに姿を消し、生き残ったのは比較的ほっそりした体格で長い手足をもったクロマニョン人だった。なぜネアンデルタール人は絶滅し、クロマニョン人は生き残ったのか。その謎の探索とともに、日本初上陸をはたすその両者の実物の頭骨を実見できるのも、今回の展覧会の見どころのひとつとなっている。

氷河期を生きたネアンデルタール人とクロマニョン人の実物頭骨を日本初公開 特別展『氷河期展 ~人類が見た4万年前の世界~』国立科学博物館で

ラ・フェラシー1号 (ネアンデルタール人) © MNHN

同展はまた、日本列島にも注目する。人類は、最終氷期にあたる約3万8千年前までに、日本列島にわたってきたと考えられている。当時を生きた日本三大絶減動物であるナウマンゾウ、ヤベオオツノジカ、ハナイズミモリウシなどの動物たちとともに、人々が氷河期の日本列島でどのように暮らしていたかも紹介される。

猛暑のこの夏、4万年前にタイムスリップし、氷河期の世界の追体験を楽しみたい。



<開催概要>
特別展『氷河期展 ~人類が見た4万年前の世界~』



会期:2025年7月12日(土)~ 10月13日(月・祝)
会場:国立科学博物館
時間:9:00~17:00(入場は16:30まで)
休館日:7月14日(月)、9月1日(月)・8日(月)・16日(月)・22日(月)・29日(月)
料金:一般・大学2,300円、高中小600円
チケット情報:
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2559065(https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2559065&afid=P66)
公式サイト:
https://hyogakiten.jp/

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