『ひらけ、絵手本!「北斎漫画」エトセトラ』すみだ北斎美術館で 北斎と門人たちによる「絵手本」が国内外に与えた影響とは?
葛飾北斎『北斎画鑑』 すみだ北斎美術館蔵(※通期展示)

90年の生涯で、さまざまなジャンルの作品を手がけた浮世絵師・葛飾北斎。そのなかでも絵を学びたい人のためのお手本となる「絵手本」のジャンルと、その代表作である『北斎漫画』に注目した展覧会が、3月17日(火)から5月24日(日)まで、開館10周年を迎える東京・墨田区のすみだ北斎美術館で開催される。



『ひらけ、絵手本!「北斎漫画」エトセトラ』すみだ北斎美術館で 北斎と門人たちによる「絵手本」が国内外に与えた影響とは?

二代葛飾戴斗『絵本通俗三国志』三編 五 すみだ北斎美術館蔵(※通期展示)
『ひらけ、絵手本!「北斎漫画」エトセトラ』すみだ北斎美術館で 北斎と門人たちによる「絵手本」が国内外に与えた影響とは?

葛飾北斎『略画早指南』前編 すみだ北斎美術館蔵(※通期展示)

読本の挿絵で名が売れた北斎は、全国に弟子が大勢いたと言われる。当時、絵を学ぶ方法は、師匠の絵を模写すること。お手本を欲しがる弟子たちをはじめ、絵を学びたい読者に向けて、北斎は絵手本の制作を多く手がけた。例えば、モチーフを簡略化して描く方法を教える『略画早指南(りゃくがはやおしえ)』では、コンパスや定規を使って描く方法や、文字から絵を起こす手法を指南している。



『ひらけ、絵手本!「北斎漫画」エトセトラ』すみだ北斎美術館で 北斎と門人たちによる「絵手本」が国内外に与えた影響とは?

葛飾北斎『北斎漫画』十一編 すみだ北斎美術館蔵 (※原本ではなくパネルで通期掲示)

絵手本のなかでも特に有名なのは、北斎の代表作のひとつ『北斎漫画』。本気で絵を学ぶ弟子や職人たちの入門書として、1814年に初編が刊行された『北斎漫画』は、当初は1冊で完結する予定だったようだが、江戸の庶民からも広く愛され、人気のあまり続編が刊行された。タイトルの「漫画」は、今のいわゆる「コミック」とは異なり、北斎が「気ままに描いた絵」といった意味。森羅万象を扱った約4000図もの絵が収められ、最終的には全15編までが刊行される大ベストセラーとなった。



『ひらけ、絵手本!「北斎漫画」エトセトラ』すみだ北斎美術館で 北斎と門人たちによる「絵手本」が国内外に与えた影響とは?

ウェッジウッド製『北斎漫画』『絵本庭訓往来』絵柄皿 すみだ北斎美術館蔵(※通期展示)
『ひらけ、絵手本!「北斎漫画」エトセトラ』すみだ北斎美術館で 北斎と門人たちによる「絵手本」が国内外に与えた影響とは?

葛飾北斎『絵本庭訓往来』上編 すみだ北斎美術館蔵(※原本ではなくパネルで通期掲示)
『ひらけ、絵手本!「北斎漫画」エトセトラ』すみだ北斎美術館で 北斎と門人たちによる「絵手本」が国内外に与えた影響とは?

葛飾北斎『絵本庭訓往来』上編 すみだ北斎美術館蔵(※原本ではなくパネルで通期掲示)

『北斎漫画』はまた、海外では『ホクサイスケッチ』と呼ばれ、19世紀後半にヨーロッパで巻き起こったジャポニスムのブームのなか、印象派の画家たちや工芸家たちにも大きな影響を及ぼしている。



今回の展覧会は、北斎や門人による版本の絵手本を中心に展示し、さらに『北斎漫画』をはじめとした絵手本の影響を受けて制作された作品なども合わせて展観することで、絵手本の魅力に迫るもの。また、北斎は、今で言えば「ファッションカタログ」のような着物や工芸品の図案集も手がけており、同展ではデザイナーとしての北斎の魅力にもふれることができる。



<開催情報>
『開館10周年記念 ひらけ、絵手本!「北斎漫画」エトセトラ』



会期:2026年3月17日(火)~5月24日(日) ※前後期で一部展示替えあり
[前期] 3月17日(火)~ 4月19日(日)  [後期] 4月21日(火)~ 5月24日(日)
会場:すみだ北斎美術館
休館日:月曜、 5月7日(木)(※ただし5月4日(月・祝)は開館)
時間:9:30~17:30(※入館は~17:00)
料金:一般1,000円、大・高校生700円、65歳以上700円、中学生・障がい者300円
公式サイト:
https://hokusai-museum.jp/hirake/

編集部おすすめ