
だが、「強肩と俊足が強みだったが、バッティングセンスがなかった」と伸び悩みも感じていた。そのころ、後に師匠となる柳詰正宏(福岡・97期)に、通っていたジムで知り合った。
柳詰と話すうちに、競輪への転向を決心。「10カ月、野球では経験したことのないきつさの練習をした。でも、日々充実していたし、向いているなと思った」。養成所への試験は一発合格だった。
養成所に入所後は、さらに脚力を伸ばした。第2回と第3回の記録会ではゴールデンキャップを獲得。1000メートルを1分4秒台で駆け抜けた。競走訓練では先行主体に戦いながら51勝。断トツの結果を残し、在所成績1位で卒業した。
伊豆でナショナルチームの練習にも参加しており、自転車競技で世界と戦う可能性もある。目標は「グランプリ優勝」。2008年の井上昌己(長崎・86期)以来遠ざかっている九州勢のGP制覇を成し遂げても、まったく不思議のない逸材がいよいよ初戦を迎える。
①1999年9月22日、25歳②福岡県北九州市③早鞆高④小倉⑤柳詰正宏・97期⑥1位⑦10秒57、22秒29、1分04秒77⑧176、84.8、AB
尾野翔一
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