【名古屋競輪・GⅠ日本選手権】吉田拓矢がダービー王! 暴走失格から「腐らず頑張って報われた」
 名古屋競輪で6日間にわたり戦われたGⅠ「第79回日本選手権競輪」は4日、最終11Rで決勝を行い、吉田拓矢(29)=茨城・107期・S1=が、BS捲りの眞杉匠を追走して直線で差し切り、大会初Vを飾った。吉田のGⅠ制覇は2021年11月の競輪祭以来2度目。
吉田は優勝賞金9400万円と、12月30日の平塚GP出走権を手にした。2着は眞杉、3着は道中4番手から直線で外を踏んだ古性優作。6日間の総売上額は165億4267万3200円で、目標の150億円を上回った。


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日本選手権を初制覇し内閣総理大臣杯を掲げる吉田拓矢



■ヒーロー

 昨年大会では平原康多を先導した吉田拓矢が、今年は眞杉匠マークから関東勢のダービー連覇のゴールイン。GⅠ初Vは単騎戦だったこともあり、「今回は仲間のおかげで取れた。頑張ってきて良かった」と笑顔を見せた。

 レースは北日本3車が突っ張り先行。単騎の古性優作を挟んで眞杉―吉田が5、6番手。初手から終BSまでその位置は変わらず、眞杉のBS捲りに乗っての差し切りVだった。

 終4角で眞杉がやや内に下りたところで、内の菅田壱道と接触して菅田が落車。「眞杉が締めたのは分かった。眞杉が失格だったらオールスターみたいだなと、それだけは嫌だと思っていた」。
2023年8月の西武園だった。GⅠオールスター決勝で関東の先頭を買って出た吉田は、優勝した番手の眞杉らを引っ張って逃げ、暴走失格。直後から11月いっぱいまであっせんが止まった。

 「その後もあまりいいことはなかった。それでも腐らず頑張ってこられた。報われました」と振り返った。「あの日も、新山さんや新田さんが励ましてくれたし、翌日は脇本さんも声をかけてくれた」と他地区の選手にも勇気づけられた。

 眞杉との関係も良好。「とっつきやすい。僕がもっと強くなって、自信を持って真杉の前で駆けられるようにならないと」と栃茨の後輩の力量も認めている。「GPも『マジか』という感じ。関東で盛り上げたい」。
次の目標は2014年の武田豊樹以来となる関東勢のGP制覇だ。(野口雅洋)
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