2025年も数多くのスマートフォンが発売されました。
それらの中で筆者が「今年一番」と感じたスマートフォン、ファーウェイの「Pura X」を紹介します。
Pura Xは縦に折りたたむフリップ型のモデルですが、市販されている他社の製品とは一味も二味も違う、サイズ感と使い勝手に優れたスマートフォンなんです。
絶妙なサイズ感が使いやすいPura X
Pura Xのディスプレイのサイズは開いたときが6.3インチ、閉じたときが3.5インチです。
一般的なFlip型スマートフォンは開くと7インチ弱、閉じると4インチ前後のディスプレイを搭載します。
数値だけ見るとFlip型としては小さく見えますが、ディスプレイのサイズは対角線で表すので、ディスプレイ形状が異なると単純な比較はできません。
Pura Xは小さいように見えて実用性のあるディスプレイを搭載しているのです。
閉じた状態を見ると、3.5インチ正方形のディスプレイの上にカメラが搭載されています。
カメラは広角5,000万画素、超広角4,000万画素、3.5倍望遠800万画素と、なかなかのハイスペック。
ディスプレイは小型ながらもアプリをそのまま使うことができます。
閉じたままでも動画を見たり地図を検索したり、SNSのタイムラインを確認もできるわけです。
重量は195.9g、閉じたときのサイズは91.7×74.3×15.1mmで、一般的なFlip型モデルと大きな差はありません。
本体を開くと6.3インチのディスプレイが現れますが、注目すべきはアスペクト比です。
Pura Xのディスプレイは2,120×1,320ピクセル(16:10)となっています。
Flip型モデルの多くは20:9など縦に長いディスプレイを搭載しますが、Pura Xは横ワイド。
そのため一画面に表示できる情報がより見やすいのです。
横向きにしても、16:9の動画なども余裕で表示できます。
しかもワイドサイズのディスプレイなので表示は大きく見やすいと感じられます。
まるで横折り式の折りたたみスマートフォン、いわゆるFold型のモデルをふた回り小さくしたような使い勝手です。
開いたときの本体サイズは143.2×91.7×7.15mm。
厚みは若干あるものの、本体サイズが小さいので持ちやすく感じます。
そして横折り式のFold型モデルよりかなり小さいことがわかりますね。
ちなみに開いた状態で背面からみると、このような感じになります。
他のスマートフォンとは雰囲気が大きく異なります。
16:10のディスプレイが便利なのは全画面でコンテンツを表示した時だけではありません。
上下に2つのアプリを表示すると、それぞれちょうどいい具合に納まるのです。
PCなどのディスプレイの縦横比とあまりかわらずに2つのアプリを同時に見ることができるわけです。
この2つのアプリ表示は横向きにしても同様に見やすいのです。
2つのアプリのサイズは分割線部分をタッチ&ドラッグして変えることも可能。
Fold型のスマートフォンでも同様のことができますが、Pura Xは片手に収まるコンパクトボディーで同じことができます。
本体をL字型に折り曲げる、通称「Flexモード」も使いやすいと感じます。
主にカメラアプリで使いますが、上側にカメラのプレビューを見ながら、下側で操作が可能。
今後多くのアプリがこのような分割表示に対応していきます。
ゲームにも使いやすい画面サイズ
Pura Xのこのディスプレイ、ゲーム用途にはどうでしょうか?
まず横向きで試してみます。
全体のサイズ感は小さいながらも、ワイドサイズなので横向きにすると上下に余裕が感じられます。
なお中国のファーウェイストアに行くと、お客さん(特にお子さん)がPura Xでゲームに熱中している姿をよくみかけます。
ポケットサイズのゲーム機とほぼ同じ大きさでもあり、使いやすいのでしょう。
縦向きでも同様に左右に余裕があるのがいい感じです。
Pura Xは実はゲーミング用途にも向いたスマートフォンだと思います。
なおチップセットはファーウェイ子会社、HiSiliconのKirin 9020を搭載。
世代は古いもののPura Xが搭載するHarmonyOSとのチューニングもうまく行われており、全体のレスポンスは良好です。
デザインにもこだわったモデル
Pura Xには“典蔵版”と呼ばれるモデルもあります。
日本語で言えば“コレクターズエディション”です
ボディー表面をレザー調仕上げにしたモデルで、より高級感があります。
ちなみに標準仕上げのモデルは7,499元(約16万5000円)から。
典蔵版はメモリ構成が高いこともありますが8,999元(19万9000円)からと、価格設定もプレミアムです。
一方で、女性をターゲットにしたかわいい系のケースも販売。
中国でのファーウェイのスマートフォンシェアは非常に高く、サードパーティー製ケースも多く出ているのですが、ファーウェイ自らもこのようなケースを出しています
15万円以上する製品なので、他社のFlip型モデルよりも一つ上のランクのモデル、という位置づけの製品でもあるのでしょう。
純正ケースの種類を見るとそう感じます。
フラッグシップモデルクラスのカメラ
前述したようにカメラも十分高性能です。
広角と超広角に関しては画素数が高いため、日中だけではなく暗いシーンでも鮮明な写真や動画の撮影が可能です。
望遠もデジタルで10倍程度までは十分実用的、コンパクトなボディーを使って多彩な撮影が可能です。
写真のAI加工など、最近のスマートフォンが搭載する機能は一通り搭載しています。
いわゆる“消しゴムマジック”などもワンタッチで不要のオブジェクトの消去が可能。
HarmonyOSは画面に触れずに写真をコピーするジェスチャー機能も備えるなど、カメラ周りの性能も十分です。
ファーウェイのスマートフォンはカメラフォンなど一部の機種が海外でも展開されていますが、このPura Xは中国限定販売。
基本性能に優れているのはもちろんですが、絶妙なサイズ感は他の製品では味わうことができません。
グローバル展開もぜひ進めてほしいものです。
▼Photo & Written by Yasuhiro Yamane/山根康宏
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