2025年12月28日(日)、パシフィコ横浜で「Shadowverse World Grand Prix 2025 Grand Finals(以下、シャドバWGP 2025 Grand Finals)」が開催された。
Cygamesが開発・運営する大人気次世代スマホカードゲーム「Shadowverse: Worlds Beyond(以下、シャドバWB)」初の国際大会として注目を集めた本大会。
その様子を現地写真とともにお届けする。
「シャドバWGP 2025 Grand Finals」レポート
- crowd(@crowd_sv): ロイヤル、ウィッチ、ドラゴン
- elgenubi(@dragonboy_1020): エルフ、ロイヤル、ウィッチ
- DFM / ユーリ(@yuuri8540): ロイヤル、ウィッチ、ドラゴン
- Yuto Fujiwara: エルフ、ロイヤル、ウィッチ
- TK / shincha(@aketateshincha): ロイヤル、ウィッチ、ビショップ
- Mishadow51: ロイヤル、ウィッチ、ビショップ
- DNF / ReRoll(@Rain02112738051): ウィッチ、ビショップ、ネメシス
- YFM / あぐのむ(@agunomomoclo): ロイヤル、ウィッチ、ナイトメア
「シャドバWGP 2025 Grand Finals」に勝ち上がったのは以上の8名。
プロチームに所属する選手もいれば個人の力でここまで昇ってきた個人選手も。
全員が同じ条件で戦い、優勝の名誉と賞金1億円を目指します。
なお、各選手の使用デッキは「シャドバWGP」特設サイトから確認できる。
準決勝第1試合 DFM / ユーリ 対 crowd
ドラゴン使い同士のマッチアップで、ドラゴンを採用しているのはトップ8にこの2人だけだ。
1戦目 DFM / ユーリ(秘術ウィッチ) 対 crowd(秘術ウィッチ)
1戦目はお互いに秘術ウィッチを選択したミラー対決。
crowd選手は序盤から「暴食のアナテマ・ララアンセム」2枚に「天司長の後継・サンダルフォン」2枚という重い手札となるなか、順調に土の印スタックを貯めていく。
一方のユーリ選手は「アダマントアルケミスト・ノーマン」進化を含めながら体力を詰め、さらに「天司長の後継・サンダルフォン」の解放奥義と超進化で体力を残り2に。
受けるcrowd選手は「暴食のアナテマ・ララアンセム」2枚の盤面から逆転を狙うもあと一歩叶わず、ユーリ選手が「アルス・マグナ」と超進化の吹き飛ばしでリーサル。
2戦目 DFM / ユーリ(進化ドラゴン) 対 crowd(疾走ドラゴン)
2戦目はデッキ選択も注目されるなか、ユーリ選手の進化ドラゴンに対してcrowd選手が疾走ドラゴンを当てることに成功。
一般的には疾走ドラゴン有利とされるマッチアップだが、両者PPをブーストできない状況が続く。
ユーリ選手の「どこにでもいるフツーの女の子・メグ」を使った強力な盤面にcrowd選手が対応していくも、立て続けの盤面展開にリソース不足が現れてしまう。
crowd選手は終盤にようやく「炎の理・ウィルナス」を引くも、ユーリ選手の「天司長の後継・サンダルフォン」でリーサル。
ユーリ選手が決勝進出に王手をかけた。
3戦目 DFM / ユーリ(財宝ロイヤル) 対 crowd(秘術ウィッチ)
3戦目はユーリ選手の財宝ロイヤルに対し、crowd選手は秘術ウィッチを選択。
序盤から順調に土の印スタックを貯めていくcrowd選手に対し、ユーリ選手はなかなか「簒奪の継承者・シンセライズ」を引けない状況が続く。
その隙にcrowd選手が「アダマントアルケミスト・ノーマン」を使った強力な盤面を作るも、直後のターンで「簒奪の継承者・シンセライズ」を引き当てたユーリ選手はなんとか事なきを得る。
一気に流れがユーリ選手側に傾いたものの、crowd選手の「天司長の後継・サンダルフォン」が再び流れを引き戻してリーサル。
後がないcrowd選手が1本を取り返した。
4戦目 DFM / ユーリ(財宝ロイヤル) 対 crowd(疾走ドラゴン)
4戦目はユーリ選手が引き続き財宝ロイヤル、crowd選手は疾走ドラゴンを選択。
序盤から「刹那のクイックブレーダー」で体力を詰めていくユーリ選手に対し、crowd選手はなかなかPPをブーストできない状況が続く。
そのまま流れに乗ったユーリ選手がオーディンの疾走打点でリーサルを決め、決勝進出を決めた。
試合後インタビュー
― どんなことを考えながら戦いましたか?
ユーリ選手: 疾走ドラゴンと進化ドラゴンの相性は気になりましたが、ランクマッチなどで数はこなしているのでそれを考えながら戦いました。
結果的にいい感じに勝てたので良かったです。
― 3戦目はどう転ぶかわからないシーソーゲームでした
ユーリ選手: 先に1勝できていたので気が楽ではあったのですが、油断しないように丁寧にプレイしようと心がけていました。
後手で不利な状況は続いていましたが、勝ち筋は追えていたと思います。
― あと1勝で世界制覇です。一言お願いします
ユーリ選手: ここまで来たからには絶対勝ちます!応援よろしくお願いします!
準決勝第2試合 YFM / あぐのむ 対 Mishadow51
Mishadow51選手はクレストビショップを採用。
対するあぐのむ選手はトップ8で唯一のナイトメアを採用している。
1戦目 YFM / あぐのむ(秘術ウィッチ) 対 Mishadow51(秘術ウィッチ)
1戦目は秘術ウィッチミラー。
互いにまずまずのペースで土の印スタックを重ねていく展開。
「アダマントアルケミスト・ノーマン」で強力な盤面展開を進めるあぐのむ選手に対し、Mishadow51選手は進化権温存を最優先する。
あぐのむ選手が「暴食のアナテマ・ララアンセム」を出した返しのターンでMishadow51選手も「絶尽の顕現・ライオ」をプレイする派手な展開に。
Mishadow51選手はさらに「アダマントアルケミスト・ノーマン」の大量ドローでリソースを補充し、そのままの流れで押し切ってMishadow51選手がまずは1勝を手にした。
2戦目 YFM / あぐのむ(秘術ウィッチ) 対 Mishadow51(財宝ロイヤル)
2戦目はあぐのむ選手が秘術ウィッチを続投し、対するMishadow51選手は財宝ロイヤルを選択。
あぐのむ選手が土の印スタックに苦戦する一方、Mishadow51選手は「刹那のクイックブレーダー」や「真紅と群青・ゼタ&ベアトリクス」で体力を削っていく。
「常在戦場・カゲミツ」の超進化と「黄金の小剣」「空絶の残光」の打点によって7ターン目での見事なリーサルを見せたMishadow51選手が勝利。
3戦目 YFM / あぐのむ(秘術ウィッチ) 対 Mishadow51(クレストビショップ)
あぐのむ選手は3戦目も秘術ウィッチを続投し、Mishadow51選手は最後のクレストビショップへ。
Mishadow51選手が4ターン目で「絶望の顕現・マーウィン」を直引きすると会場もどよめき、あぐのむ選手はさらに苦戦を強いられてしまう。
「絶望の顕現・マーウィン」のクレストでダメージを受け続ける苦しい流れが続くなか、あぐのむ選手は2枚目の「絶尽の顕現・ライオ」をプレイすることに成功。
コストが下がったフォロワーの盤面展開で流れを取り戻したあぐのむ選手に対してMishadow51選手は「狂おしき恩寵」で踏み倒し回復に成功するも「暴食のアナテマ・ララアンセム」超進化と「天司長の後継・サンダルフォン」の解放奥義で見事にプロの意地とも言えるOTKリーサルを見せた。
4戦目 YFM / あぐのむ(モードナイトメア) 対 Mishadow51(クレストビショップ)
4戦目はあぐのむ選手のモードナイトメアに対してMishadow51選手のクレストビショップ。
互いに盤面展開と対応の応酬が続くが、あぐのむ選手はキーカードの「混融の継承者・シャム=ナクア」をなかなか引き当てることができない。
膠着状態が続くなか、9ターン目で「混融の継承者・シャム=ナクア」を引き当てると会場から歓声が上がった。
モードナイトメアの強力な盤面を展開し、あぐのむ選手が15ターンに及ぶ長期戦を制した。
5戦目 YFM / あぐのむ(財宝ロイヤル) 対 Mishadow51(クレストビショップ)
BO5最後の5戦目はあぐのむ選手の財宝ロイヤルに対してMishadow51選手のクレストビショップ。
両者ともに理想的とも言えるドローを見せながら非常に素早い試合展開が続く。
Mishadow51選手は8ターン目でクレスト5種を集めきって「絶望の奔流」による先延ばしにも成功。
さらに「試練の石板」経由で1枚差しの「狂おしき恩寵」ドローにも成功して会場からは歓声が上がり、Mishadow51選手ものけぞるリアクションを見せた。
あぐのむ選手はプロとしての意地を見せたが最後の健闘むなしく「絶の甘露」「輝く失意」でリーサル。
みごと決勝進出を決めた。
― 今の素直な気持ちを教えてください
Mishadow51選手: 本当に信じられないです。
あぐのむ選手と熱い戦いをできたと思っています。
私たちのカードは両方とも良かったんですが、特に最後の戦いで私の運が良かったです。
― あと1勝で世界制覇です。意気込みをお願いします
Mishadow51選手: 最後まで全力で挑みたいと思います。
ユーリ選手もとても強いですが、この戦いを楽しみたいと思います。
決勝 Mishadow51 対 DFM / ユーリ
長い戦いの先にあるのは優勝の栄誉と1億円の賞金。
Shadowverse NetEase Championship 2025優勝のMishadow51選手に対するはShadowverse Extra Championship 2025 愛知大会優勝のDFM / ユーリ選手。
泣いても笑ってもこれが最後の戦いだ。
1戦目 Mishadow51(秘術ウィッチ) 対 DFM / ユーリ(秘術ウィッチ)
これまで練習でも大会でもとてつもない試合数をこなしてきたであろう戦い。
まずは両者秘術ウィッチミラーからのスタート。
お互いに土の印スタックは貯めることができた最序盤だが、Mishadow51選手の「辛苦の旅路・ミレイユ&リゼット」が2ターン連続で続き進化回数を稼ぐ。
対する後攻のユーリ選手は6ターン目に「魔法の薬剤師・ペネロピー」の超進化で「暴食のアナテマ・ララアンセム」のドローに成功するなどお互いに一歩も譲らない展開。
後攻7ターン目のエクストラPPで展開された「暴食のアナテマ・ララアンセム」のに対してMishadow51は必死に土の印スタックを削りにいくが、超進化と「天司長の後継・サンダルフォン」によってまずはユーリ選手が1勝した。
2戦目 Mishadow51(秘術ウィッチ) 対 DFM / ユーリ(進化ドラゴン)
Mishadow51選手は「憧憬の魔女・メルヴィ」や「魔法の薬剤師・ペネロピー」「理光の天宮・エーデルワイス」といった横展開。
対するユーリ選手はエクストラPPの「竜の啓示」にはじまり「干絶の顕現・ギルネリーゼ」で対処していく。
続けて7ターン目で守護2枚の裏に超進化「勇壮の堕天使・オリヴィエ」が鎮座する盤面を形成するも、Mishadow51選手は「調香の魔術師」「アルケミック・フレア」「アルス・マグナ」で全処理。
さらに次ターンで「絶尽の顕現・ライオ」がチラつく展開にもユーリ選手は攻めの姿勢を崩すことなく「銀氷の吐息」でコストアップを図り「庇護の知竜」「栄弦の天宮・リュウフウ」と驚異的な盤面形成に、Mishadow51選手も拍手を贈る。
「天司長の後継・サンダルフォン」を絡めて2勝目をあげる。
3戦目 Mishadow51(財宝ロイヤル) 対 DFM / ユーリ(財宝ロイヤル)
残るユーリ選手の財宝ロイヤルに対してMishadow51選手も財宝ロイヤルで応戦する激アツ展開。
ミラーマッチらしく良い手札を揃えたユーリ選手が一歩リードのまま中盤に突入する。
Mishadow51選手も常に2体展開することでプレッシャーの手を緩めないが、ユーリ選手は温めていた「簒奪の継承者・シンセライズ」で確実に体力を奪う。
終盤はお互いに「レヴィオンの迅雷・アルベール」を見据えた行動が必要になるところ、温存している超進化の使い道で無数とも言える選択肢が存在する場面。
ユーリ選手は「レヴィオンの迅雷・アルベール」を引けていなかったものの「真紅と群青・ゼタ&ベアトリクス」「空絶の残光」「刹那のクイックブレーダー」でさらに体力を削る。
対するMishadow51選手は前ターンの処理で超進化を使い切っていたために「レヴィオンの迅雷・アルベール」「空絶の残光」で削れたのは10点のため1点足りず。
直後のユーリ選手には最後の祝福ともいえるドロー「レヴィオンの迅雷・アルベール」がやってきてリーサル。
みごと「シャドバWB」初代世界王者に輝いたのはユーリ選手となった。
― 世界一になりました。今の気持ちを教えてください
ユーリ選手: すごい嬉しいです。
― 特に最後の試合はゾーンに入っているような戦いぶりでした
ユーリ選手: 1戦目、2戦目はうまくいったと思うんですが3戦目ですね。
最後「刹那のクイックブレーダー」に超進化を切ったほうが「テンタクルバイト」の負け目を潰せたのかなと。
そこはちょっと反省点ですし、まだまだ「シャドバWB」は奥深いなと。
― 世界一になってもなお反省点が
ユーリ選手: 今回の結果には納得しているんですが、とはいえ自分のプレイ全てが完璧だったかと言われるとそれは怪しいのかなと。
これからも「シャドバWB」の腕を上げていきたいと思います。
― 苦しい場面もあったかと思いますが、支えになったものは何でしょうか
ユーリ選手: 自分は誰一人自分のことを応援する人がいなくても頑張ると決めているので、応援が力になるとは限らないと思っていました。
思っていたんですが、やはり色んな人からの応援をもらったり、会場にも来てくれたりしていて。
それは力になりましたね。
― DFMのチームメンバーの存在とは?
ユーリ選手: 仲が良いのはもちろんなんですが、お互いに高め会える関係ですね。
特にmillさんは一緒に世界大会に出場していて、ルームマッチもたくさん行ってきました。
millさんやSpiciesさんは自分に無い視点を持っているので、色々なことを学ばせてもらったと思っています。
― 「シャドバWB」最速のマスターランクから世界王者まで駆け抜けました
ユーリ選手: 「シャドバWB」がリリースされて以降は怒涛の日々でした。
「シャドバWB」が非常に良いゲームなのでとても楽しくここまで続けてこられました。
― あなたにとって「Shadowverse」とは
ユーリ選手: 強い人と戦いたくて始めた「Shadowverse」だったんですが、気づけばプロとしてここまでやってくることができました。
今日が自分の生涯収入を大幅に占めることになったので・・・まぁ人生なんでしょうね。


](https://m.media-amazon.com/images/I/51pHWdWD1sL._SL500_.jpg)






