
近年、SNSを中心に世界中で多くのファンを獲得しているのがコツメカワウソの妖精をモチーフにしたゆるキャラ「ちぃたん☆」だ。TikTok、Instagram、X、Facebookなど主要SNSフォロワーの合計は700万人を超え、月間合計インプレッションは10億を突破するなど、 自由奔放で体を張った“チャレンジ動画”が大きな反響を呼んでいる。なぜ過激な動画に振り切っているのか。賛否両論を呼びつつ有名になったちぃたん☆に、今の心情と今後の目標を聞いてみた。
“暴走”はいたって普通のこと
――そもそも「ちぃたん☆」はどんなキャラクターで、なぜ秋葉原観光推進協会の公式ゆるキャラとして活動しているんですか?
ちぃたん☆はカワウソの赤ちゃんです。秋葉原で生まれ育ったので、そのご縁から秋葉原観光推進協会のイメージキャラクターとしても活躍しています。
また、秋葉原がさまざまな文化を受容してきた懐の深い地域でもあるので、そういった意味でも相性がとてもいいからです。
※編集部注 ちぃたん☆の言葉を保護者のかたが訳した内容をインタビューとして掲載しています。
―― ヤンチャで破天荒な性格はいつからなのでしょうか?「体を張って」SNSで発信している理由も教えてほしいです。
カワウソの妖精なのでそのままヤンチャな性格が反映されて、体を張った動きになっていますが、本人はいたって普通のことだとずっと思って活動しています。
――SNSで配信したなかで特に印象深かったコンテンツはありますか?
2022年に投稿した「サッカーで関節技を極めた動画」は世界中で話題になっていて、いまだにずっとバズり続けています。
サッカーしましたっ☆ちぃたん☆ですっ☆
— ちぃたん☆/Chiitan (@chiitan7407) October 30, 2022
I play soccer with my friends. pic.twitter.com/bEB1njaSTM
また、ちぃたん☆は性別がないので、「魂」や「個性」の大切さを伝えるために、LGBTについても発信しているのですが、こちらの投稿も反響が大きかったです。
Chiitan is a transgender ally️⚧️
— ちぃたん☆/Chiitan (@chiitan7407) July 21, 2024
ちぃたん☆には性別がありませんっ☆
性の多様化で沢山の方が苦悩し自分らしく生きることが難しい現状を知りましたっ
なぜ世界中でこのようなことが起きるのでしょう…
妖精から見て人の性差なんて些細なことにしか見えないですっ☆… pic.twitter.com/CZGw1A9hUA
ちなみに、Xでの投稿が目立つちぃたん☆ですが、実は一番バズっているのはインスタで、キックボードに乗って転げ落ちる動画は約2億回ほど再生されているんです。
下までスイーっと行っちゃいますねっ☆
https://www.instagram.com/reel/C3sHuEbP_lc/?utm_source=ig_web_copy_link
着ぐるみの汚れは日常茶飯事。でも全く気にしていない
――ゆるキャラがたくさんいる中で、ここだけは譲れないポイントは?
とにかく水を恐れないことです。
元気いっぱいのカワウソが大きくなったので、ゆるキャラにとって“御法度”の濡れることは気にせず、最大の敵の海水にすらも大胆に突っ込んでいきます。
――ゆるキャラとして活動開始してから苦労した点はどんなことでしょうか?
全力で激しく動き回るため、体や毛がハゲてしまうこともありますし、特に草の上で遊んだ時につく草汁はなかなか洗い落とせず、“強敵”だと思っています。
でも最近は、そんなこと気にせずに開き直っていて、ドロドロのままでも人前に出ていますね。
ちぃたん☆が激しく遊んでいるのを皆さん知っているので、遊びを一生懸命行った勲章の“傷”として捉えてもらえているので助かっています。
――今後はどのような展望を描いているのでしょうか?
現在タイ、中国にちぃたん☆のお家(事業拠点)があるのですが、将来的には世界各国にちぃたん☆のお家を作りたいと思っています。
ちぃたん☆の願いは、世界中の人たちとご近所さんとして仲良く遊べるようになり、一緒に楽しく過ごすことで、世界中の人たちにたくさんの笑顔を届けることです。
そして、今年の夏にはアメリカにもお家ができます。主な活動地域はロサンゼルス、ハリウッド、ラスベガスで、アメリカ国内でもちぃたん☆の魅力を発信していく予定です。
ーーアメリカ進出はすごいですね
ちぃたん☆は、日本よりもアメリカや南米で人気がありまして、現地に行くとまるでロックスターのようにパニックが起きるくらい人が集まります。
先月もラスベガスで開催されたコスプレイヤーが集まるイベントに遊びに行ったときも、会場の表舞台に出た瞬間、現地の人々に囲まれて10秒もしないうちに身動きができなくなりました。
これからも、「世界中の人に笑顔になってもらいたい」という夢を実現するため、頑張っていきます!
今後の新たな“暴走”に期待したい。
取材・文/古田島大介