「ホロライブプロダクション」に所属するVTuberのさくらみこが、1月11日に自身のXで一週間ほど活動を休止すると発表した。彼女は今年1月4日の競馬配信において、競馬専門チャンネルの有料情報を一部復唱。
近年、成長産業と期待され、競争が激化するVTuberビジネスだが、炎上や卒業が相次いでおり、事業運営の難しさが際立っている。
繰り返されるVTuberの炎上騒ぎ
VTuberとはCGのアバターを用いてYouTube配信などを行なうタレントで、ホロライブは国内最大級のマネジメント事務所だ。さくらみこは250万人近いチャンネル登録者数を持つ、ホロライブ内でもトップクラスのタレントである。
炎上のきっかけは自身の競馬配信で、JRAの有料競馬チャンネル「グリーンチャンネル」を視聴しながら配信をしており、パドック解説の復唱をしたことだった。
グリーンチャンネルのサービス利用規約には、「お客様は、本サービスから入手した情報をお客様の私的利用範囲に限り利用することが可能」と明記されており、営利・非営利を問わずグリーンチャンネルで得た情報を複製、インターネット上へのアップロード、上映することなどを禁止している。一部の視聴者が復唱することは問題だとリアルタイムで指摘をしたもののコメントのいくつかが削除されるなど、その対応が火に油を注ぐ結果となった。
さくらみこはXにて、グリーンチャンネルの件は会社間で確認と対応をしていること、そしてコメントについては「会社のモデレーションチームによって削除基準に及ばないコメントがいくつか削除された事案があった」と事情を説明している。
2025年にもこれと似た炎上騒ぎがあった。同じくホロライブの人気VTuberが任天堂のソフトウェアを使った企画を実施したが、その中で扱われたものの一部に不正に改造されたものが含まれているのではないかと指摘されて炎上したのだ。その後、指摘されてもなお企画を進めたことで延焼する結果となった。
ホロライブを運営するカバー株式会社は2025年4月9日に「ガイドライン違反を疑われるゲーム配信への対応に関するお知らせ」というリリースを発表。この中で、ゲーム配信におけるガイドライン違反を疑われる内容を任天堂と協議したことを明らかにし、動画の非公開化や所属タレントに対してガイドライン遵守の必要性を周知することなどの要請を受けたと説明した。
こうした事例を客観的に見ると、VTuberの知識不足がガイドラインに抵触する行動を招いてしまい、配信を盛り下げる内容にしたくないとファンを気遣った行為が炎上していると判断できなくもない。
これほどまでに炎上してしまうのはなぜなのか。
ポイントは2つある。1つはVTuberが2次元という幻想に包まれていること。もう1つはファンとアンチという構図ができやすいことだ。
素顔を見せられないことのメリットとデメリット
VTuberは、2次元であるがゆえにファンの想像力を掻き立てる存在であることは間違いない。しかし、炎上騒ぎを引き起こした際はやっかいだ。
テレビタレントやYouTuberのガイドライン違反や失言、スキャンダルにおいては、本人の顔を出した謝罪を行なうことができる。アメリカの心理学者アルバート・メラビアンは、誰かが感情や態度を伝える際、言語情報は7%、声のトーンなどの聴覚情報が38%、表情などの視覚情報が55%の割合で聞き手に影響することを示している。
芸能人などの謝罪会見において、涙や苦渋の表情が視聴者に訴える影響は絶大だ。しかし、VTuberは声や書面に限定されてしまう。それだけに鎮火する難易度が高い。
そして、ファンとアンチが真っ二つにわかれているのもこの業界の特徴だ。
VTuberは所属事務所内でのコラボ配信が活発である。しかし、何らかの理由でコラボ配信が行なわれなくなると、2次元の幻想に包まれていることもあって、虚実不明の不仲説が生じやすい。それが大量のアンチ勢を発生させる要因にもなっている。
過激なファンを形成しやすいのは、VTuberが大衆文化に育ち切っておらず、ライトファン層の参入が少ないことも背景にあるだろう。
矢野経済研究所によると、2025年度におけるVTuberの市場規模の推計値は1260億円。これは2025年の同人誌のユーザー消費金額1500億円と近い数字だ。VTuberマーケットは拡大しており、人気タレントはテレビCMやキャンペーンで活躍する姿を見かけるようになったが、一般大衆への浸透はまだしきっていない。
ホロライブと人気を二分するVTuberマネジメント事務所「にじさんじ」は、、所属する男性タレントたちのユニットを成功させてライトファン層の開拓に成功している。しかし、荒らし投稿や誹謗中傷などのアンチ行動に頭を悩ませているのが現実だ。
運営するANYCOLOR株式会社は、誹謗中傷を繰り返した女性に対する聞き取り調査の結果を公表したことで話題になったが、VTuber業界が健全に発展するためにもアンチ行動に対する対策が必要だ。
会社がIPを保有するという強みがあったが…
タレントのマネジメントの難しさも表面化している。
2025年はホロライブの紫咲シオン、がうる・ぐら、天音かなたなどの人気VTuberが相次いで卒業した。
かつてYouTuberマネジメント事務所のUUUMやVAZから大量の離反者が出たことが騒動になった。VTuberは事務所がIPを持っているために同じ轍を踏むことはないと見られていた。しかし、実際は食い止める力としては強くないことが明らかになりつつある。
ホロライブのカバーは、タレントと個別・グループ面談を実施し、個人の悩みや活動の意向を丁寧に拾う努力を重ねている。タレントの中には会社との方向性の違いで卒業をすると公言するケースもあり、心理的なケアの重要性が増しているのだ。
VTuberは日本のエンタメコンテンツの中でも、とりわけ注目度の高い産業だ。推し活消費が活況なこともあり、カバーもANYCOLORも上場以来2桁の増収を重ねている。エイベックスやグリーがVTuberの育成に力を入れるなど、市場が拡大する兆候もある。
炎上騒ぎが繰り返されることがない、業界の健全な発展に期待したい。
取材・文/不破聡 写真/shutterstock

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