
サッカー日本代表、UAE相手に誤審で敗北 白星必須の次の対戦は「アジアのバルセロナ」と呼ばれるタイ
9月1日、日本代表は2018年ロシアワールドカップの出場をかけてアジア最終予選に臨んだ。初戦となったアラブ首長国連邦(以下、UAE)との試合では、試合内容よりも審判の誤審疑惑が話題に。もう勝つしかない日本の前に立ちふさがるのは「アジアのバルセロナ」と呼ばれるタイ。アウェイゲームということもあって難しい試合展開が予想されている。決選は9月6日に行われる。
記憶にも記録にも残る“迷”ジャッジ サッカー日本代表、W杯予選初戦は誤審で黒星に……
9月1日、日本代表は2018年ロシアワールドカップの出場をかけてアジア最終予選に臨んだ。対戦相手はアラブ首長国連邦(UAE)。結果は1-2で逆転負けを喫してしまったが、この試合、実は”引き分けで終わっていた”というと驚く方もいよう。
1点ビハインドで苦しんでいた日本代表だったが後半32分に決定気が訪れたのだ。
途中交代出場のイングランドの強豪アーセナルが所有権を持つ浅野が、ゴール前で本田からの折り返しをボレーシュート。
するとボールはゴールの中へ。スタジアムの観客や選手の多くがガッツポーズした。
しかし、カタールから派遣された審判団はノーゴールの判定。相手ゴールキーパーが寸前でボールを弾き出したとジャッジしたのだ。
結局そのままのスコアで試合は終了。ホームでの初戦で黒星を日本は喫してしまった。試合後、各国メディアが「あれは誤審」と報じだす中で日本に勝ったUAEの新聞も、この誤審に言及した。
「浅野のゴールはラインを超えていた」と、”幻のゴール”となった浅野拓磨の得点を認めている。また、「相手チームは常に優勢に立ち、近年では最も忘れられない試合の一つとなった」
出典:日本、屈辱の敗戦も…UAE紙は浅野の”得点”認める「ゴールラインを超えていた」
「審判誤審ばっかじゃん」 高視聴率の試合で起きた異例の事態 Twitterの反応は?
日本代表にとっては悔しい結果の1つの要因となった今回の判定。ワールドカップ出場をかけた最終予選の初戦。視聴率は今年放送のサッカー日本代表戦では最高の17.2%を記録したほど注目度の高い一戦での誤審疑惑に、Twitter上でもファンがざわついた。
全ては日本がサッカーに情熱を注いでないのが悪いよ!!
— かんだ (@o_tin_tin_poke) 2016年9月1日
ブラジルくらいサッカーに熱注いでたら審判も国民に殺されるのが怖くて誤審しないよ!!
審判誤審ばっかじゃん
— ゆぺくん☆★ (@yupe_1123) 2016年9月1日
はらたつ
完全に入ってたやん
問題ってのは、自分で解決できるものとそうでないもの、2つに分類できます。敗因は複数あって、審判の誤審についてはチームの範疇外のもの。協会がしかるべき機関に提訴して、切り分けること。監督は敗因を他に求めず、自分で解決できるチーム内の問題に焦点を当てて、改善することに集中してほしい。
— 村上アシシ (@4JPN) 2016年9月1日
本田W杯予選7戦連発!UAE戦の激闘を振り返る
敗れはしたものの、チャンスは作り続けた日本代表。
「ボールを持てている中でもっと幅を出したり、細かくしたり、裏を狙ったりという判断があってもいいのかなと。でも相手が結構引いていたので、なかなか難しかった」とは言いつつもスペインの強豪セビージャへの移籍を実現させたテクニックで攻撃を引っ張った清武。
出典:清武、先制点アシストも「監督は今日の左サイドには満足していないと思う」-フットボールチャンネル
前半10分、清武の右サイドからのFKに頭で合わせたのは本田。日本代表が最初のチャンスをものにして先制。本田はワールドカップ予選7戦連発の偉業達成し、チームにいい雰囲気が漂った。
しかし、その後は日本代表初先発のボランチの大島やドイツ強豪ドルトムントの香川がミスを連発してしまい、追加点を奪えずにいた。
すると、前半20分。
ディフェンダー吉田のファールで相手にFKのチャンス。ゴールまでは正面とはいえ23メートル。これを相手エースのハリルが豪快にゴール右上へ突き刺し、同点となり後半へ。
後半8分だった。直前に惜しいシュートを放っていたボランチの大島が自陣のゴール前で痛恨のファール。
ペナルティキックを献上してしまう。
キーパー西川をあざ笑うかのようにハリルがふわっとしたシュート。これが決まって1-2。
その後、最後まで日本も粘ったが結局そのまま終了。痛い黒星となっただけではなく、日本代表の公式戦では19年間負けたことのなかった聖地、埼玉スタジアム2002で敗れるという不名誉な記録も残してしまった。
映像ハイライトはこちらから。
エースは「メッシ」!?次の対戦相手タイ代表が強いらしい
日本は9月6日に第二戦を控えており、対戦相手はタイ。そのタイ代表には、世界No.1プレイヤーとも称されるリオネル・メッシの名をもじり、”タイのメッシ”と呼ばれる人物が。
近年代表の中心となっている小柄な「タイのメッシ」ことチャナティップ・ソングラシンも招集。ティーラトン・ブンマタンやティーラシル・ダンダなど経験豊富で質の高い選手もしっかり入っている。
出典:日本戦控えるタイ代表メンバー発表、あの「タイのメッシ」も -Qoly
ソングラシン選手は1993年生まれの大変若い選手で身長は158cmと日本人と比べて小柄な体躯の持ち主である。小柄な点は本家と共通している。しかし、彼が「タイのメッシ」と呼ばれるのは体が小さいからだけではない。
彼の武器はまるで本物のメッシのような重心の低い素早くてトリッキーなドリブルに加えて長短自在のパスセンス、そしてパンチ力の高いシュートである。この変幻自在に攻撃を操ることができる姿が「メッシ」に例えられている所以だという。
そのソングラシン選手を中心に、パスサッカーを標榜しているタイ。「アジアのバルセロナ」とも呼ばれている。
初戦黒星というショックな気持ちを切り替えて、次は勝ちたい日本代表。厳しいアウェイの地での戦いで、”タイのメッシ”を抑えて勝利を飾ることはできるのであろうか。
ソングラシン選手のプレー動画はこちら。
タイ代表のW杯予選初戦を振り返る 強豪サウジアラビア相手に奮闘するもPKで敗れる
タイ代表の初戦の相手は、2006年のドイツワールドカップに出場したこともあるアジアの強豪サウジアラビア。タイは敵地に乗り込んで戦った。ソングラシン選手も3トップの左で先発し奮闘した。
タイの選手は小柄な体格の持ち主が多く小回りが利き、パスやドリブルで果敢に攻めていた。スピーディな展開のパスサッカーにサウジアラビアも苦しめられた様子であった。
後半に痛恨のPKを献上してしまったものの、守備陣も体格で勝る相手に集中していた。そのPKを決められてアウェイで敗れたタイ。
日本戦では、大きな声援を背に受けて戦うことができるタイ代表。大勢のサポーターからの声援は、非常に心強いことだろう。逆に日本にとっては苦しい試合になりそうだ。
相手は「アジアのバルセロナ」日本勝利のカギはどこに?
絶対に負けられないアウェイのタイ戦を勝つための鍵はなんだろうか。サッカー好きな編集部員Aが考えてみた。
守備面と攻撃面に分けて見ていこう。
相手のタイの最大の特徴は「パスサッカー」である。
それをつぶすことで相手の攻撃が機能不全に陥ることは目に見える。
では、どうつぶすのか。
パスサッカー封じの基本とは昔からシンプルなものである。
それは、ボール所持者への素早い寄せをすることだ。ボールを持ってすぐ相手に寄ってこられると焦ってパスミスをしてしまう可能性が高くなるのだ。
特にタイ戦では、香川や本田といった前線のラインから相手の中盤の選手へ素早く寄せられれば日本の守備は安定するだろう。
さて、攻撃面ではどうだろう。
タイのパスサッカーに対して日本もパスサッカーで対抗するのは見ているほうとしては娯楽性に富んでおもしろいかもしれない。
しかし、タイ戦では確実に勝利を収めたい。どうしたらよいのか。
相手がパスで崩すために中央を使ってくる。だとしたら、ここはサイド攻撃が推奨される。
ピッチを左右に大きく使って攻撃すれば、相手の選手は陣形を崩す。
これは、後々パスサッカーの質低下にもつながってくるだろう。
前線には岡崎というクロスボールに合わせる技術にたけた点取り屋もいるのだから、効果的に崩していきたいところだ。
崩しという点でタイ戦のキーマンは、清武だ。
9月1日のUAE戦では非常に高いテクニックを披露していた。勝利に結び付けられなかった悔しさも抱えているだけに、タイ戦ではさらなる活躍が期待されている。
さぁ、日本が2018年のワールドカップに出場するためにも絶対に負けられないタイとの一戦。
是非とも勝利を日本まで届けてほしい。がんばれ!日本!