多摩美で佐野研二郎の葬式 不謹慎だと批判殺到も"社会的抹殺"の風刺として評価の声も

多摩美で佐野研二郎の葬式 不謹慎だと批判殺到も"社会的抹殺"の風刺として評価の声も

佐野研二郎はオリンピックエンブレムの問題で話題になったデザイナーだ。11月6日、彼の母校である多摩美の学祭最終日に「佐野研二郎の葬式が行われている」と写真がSNSへアップされた。ネット上で批判が殺到しているが、一説には「社会風刺のブラックジョークなのでは」とも言われている。今回の騒動についてまとめた。

多摩美で佐野研二郎の葬式!?

11月4日から6日にかけて行われていた多摩美術大学八王子キャンパスの「芸術祭」。模擬店だけではなく展示やフリーマーケットなど美大らしいイベントで盛況していた。だが最終日の6日にデザイナー・佐野研二郎の葬式を模したイベントが行われていた。



その様子が撮影された写真はSNSにアップされ瞬く間に広まったが、佐野研二郎は存命中であるにも関わらずこのような”不謹慎”とも取れるパフォーマンスにネット上には多くの批判の声が集まっている。大学側もこの突然の事態を飲み込めていないようで、「調査中」と回答している。



今回葬儀された佐野研二郎とは 五輪エンブレムで物議を醸したあの人

佐野研二郎は多摩美のOBで、美術学部グラフィックデザイン学科を卒業した。博報堂に入社したが、その後いくつかの会社やチームを経て2014年には多摩美術大学美術学部統合デザイン学科教授に就任した。

2020年に開催予定の夏季東京オリンピック・パラリンピックの公式エンブレムに1度は選ばれたものの、その作品がベルギーにあるリエージュ劇場のロゴと似ていることが問題になり、盗用疑惑が浮上、候補から取り下げられた。

さらにネット上では、彼の過去の作品が他人の作品と似ているものが多いと比較画像が作られるなどし、信頼を失う結果になってしまった。

非公式ゲリラ団体の仕業 大学側は「公式ではない」

多摩美大学生課の担当者は今回の葬式を模したイベントとこれを行った団体は公式のものではないと話している。しかし公式ホームページやTwitterのアカウントはまだ沈黙を保ったままだ。


多摩美大学生課の担当者は、弁護士ドットコムニュースの取材に対して、「芸術祭実行委員会を中心におこなっているイベントで、(葬式の)現場を直接見ていない。事実を含めて調査しているところだ」と回答した。実行委員会の担当者は事実関係を認めたうえで、「審査を通過していないゲリラ団体によるもので、状況把握には時間がかかる」と困惑気味に話した。
多摩美学園祭「佐野研二郎氏の葬式」は無審査のゲリラ団体…実行委は困惑 - 弁護士ドットコム

多摩美の学生なのか、外部の団体なのかは定かではない。だがこの問題ではこれを面白がって実行してしまう若者のモラルが問われている。

多摩美の「葬式ごっこ」にネット上では不謹慎だと批判が殺到!

芸術祭の様子はすぐにSNSで拡散され、批判が殺到した。










写真がアップされたり、議論が起こったりとまだ熱は冷めない。Twitterでは部外者の行ったものだったとの意見もあるが、大学側は公式に発表していない。この「葬式」を現役生が行ったのか部外者なのかは未だ謎だが、どちらにしても理由が理解できないことがこの話題を大きなものにしている。

現代風刺としては面白いとの声も 葬儀ごっこで”社会的に抹殺された”佐野研二郎氏を可視化した?

佐野研二郎のエンブレムやデザインの盗用疑惑があったことで、多摩美の就活生は「多摩美のイメージが落ちたのでは」と不安に思う人も多かったよう。今回の葬式に関して、このような見解も。



”佐野研二郎氏の葬儀”を目撃した漫画家は次のように語っている。
オリンピックのエンブレム問題以降、多摩美生であるというだけで、ネット上でいわれもない中傷を受けたりなどしていたようで(友人もいろいろと言われていたようです)溜まっていたものがあったのではないかなと思います。

個人的には、『佐野研を笑ってたやつら忘れないからな』というセリフからも、みんながやってるなら、気に入らないやつはどれだけたたいても、社会的に殺しても大丈夫、という風潮のある社会に対する皮肉を表現しているブラックジョークだな、と受け取りました。
"佐野研二郎氏の葬儀" 目撃した漫画家が語る「ブラックジョークと感じた」




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