そんなことを思い出しつつ棚を見ると、やはり今は「妖怪ウォッチ」が目立つ。「お子さまの好きなキャラクターに関する意識調査」(株式会社バンダイ調べ/2015)によれば、総合TOP3は「妖怪ウォッチ」、「それいけ!アンパンマン」、「アナと雪の女王」だという。食玩コーナーのオマケも、ちゃんとこの“お子さまのお好きなキャラ”に即したラインナップになっているのだ。
【おまじないネコのチャクラくん】
そんな懐古厨モードのなか、ふとある食玩のことを思い出した。これは、懐かしすぎる! どうしよう誰かにこの想いを伝えたい! 今のお子さま方はきっと知らないでしょう、『おまじないネコ☆チャクラくん』の存在を……!
「チャクラ」といえば、今でこそ『NARUTO』を思い浮かべる人も多いと思うが、あの頃「チャクラ」といえば『おまじないネコ☆チャクラくん』のことだった。
「チャクラ」は1995年~2001年まで小学館の学年雑誌で連載されていた作品だ。マンガ家・上重☆さゆり先生によれば「すっごいパワーを持っている黒ねこチャクラが、日本一ついてない女の子・めぐみちゃんを幸せにするために、とくいなおまじないで大かつやく!」する、「はちゃめちゃおまじないギャグマンガ」。もう設定からして90年代臭プンプンだな。
【女の子たちはこぞって食玩を集めたんですよ】
そんな主人公「チャクラ」の一人称は「おれ」、語尾に「チャ」を付けてしゃべるのが特徴だチャ! 生みの親は、「人のオーラを読み取ることができる能力をもつ霊能力者」、こと橘めぐみ先生。先生の「みなさんが幸福になるように」という念がチャクラには込められているという。設定がいい感じにスピってるぅ〜!
90年代、そんな「チャクラ」の食玩が子どもたちの間で大流行していた。
おまじないネコチャクラくん 知ってる人いるかな~?
小さい頃、マーブルチョコのおまけに付いてて流行ってたんよね。筆箱とかに忍ばせてたなぁ http://t.co/PONoPiJGro
— はるう (@haruuu0w0) 2014, 10月 29
チャクラが持っている“ハート”や“小判”、“鍵”などのグッズによって「恋愛運」や「金運」、「健康運」などのご利益がある。これを持ち歩いていれば願いが叶うというものだった。
かく言う筆者もその蒐集癖を遺憾なく発揮していたので、何年も経ってから大掃除のたびに発掘されるチャクラを見ては、「ちょ、チャクラwwwww 懐かしすぎ、ククク……」と独りのたうち回った。
【90年代は「癒し」ブームの時代だった】
ところで、子どものおもちゃがなぜここまでスピリチュアルな設定だったのだろう? もちろん、子どもが占いやおまじないにハマるのはわかるが、これは1990年代半ば頃から社会的に空前の「癒し」ブームが到来していたことと関係しているかもしれない。
1970年頃から80年代にかけて、欧米のカウンターカルチャーであるニューエイジ運動が日本でも広まっていた。これは「精神世界」などを掲げる動きで、こうした流れを汲み、とくに90年代初頭から半ばには「癒し」という語がさまざまな領域で使われるようになったという。
女の子の間でも1980年代の占い、おまじないブームがあり、90年代になると『My Birthday』などの占い専門雑誌も流行した。1995年ごろにはじまる「チャクラ」くんブームも、この大きな動きの一端だったのか?
【チャクラグッズが復活! ま、まさにスピリチュアル体験や!】
さてさて、そんなこんなで90年代に脳内トリップしていたところ恐るべきニュースを目撃してしまった。なんと、この「チャクラ」グッズが約20年ぶりに復活、販売されるという。
復刻アイテムはぬいぐるみ、マスコットで、それぞれ7月25日から「キデイランド」原宿店ほかで先行発売、10月より全国で販売予定だという。もう、これはマスト・バイです、チャ……!
(ヤマグチユキコ)
