「少年アシベ」といってもすぐに思い出せる人は少ないかもしれませんが、真っ白いアザラシ「ゴマフアザラシのゴマちゃん」ときけば、何となく覚えているという人もいるのではないでしょうか。男の子がアザラシを小脇にかかえて歩いているあのゆるい姿。
それが、「少年アシベ」の主人公アシベです。

【「少年アシベ」ってどんな内容だったっけ?】


「少年アシベ」は当時安定的な人気を維持していたアニメ。アニメを見ていた人は、4コマ漫画のイメージがないかもしれませんが、実は1988年から1994年まで週刊ヤングジャンプに連載されていた4コマ漫画だったのです。絵柄的にはほのぼのした雰囲気ですが、あとで見なおしてみると、結構シュールで大人が読んでも楽しめる内容。

物語はまず、アシベとゴマちゃんの出会いから始まります。出会いといっても、トラックから落ちたゴマちゃんをアシベが拾って帰り、家族みんなで料理して食べるつもりだったという、これまたシュールな始まり。あの明らかに魚とは思えない大きな白い物体をたべるという発想が、アシベのキャラクターの濃さを表していますよね。
魚ではなくゴマフアザラシの赤ちゃんだったということで、飼うことになったというのがふたりの最初のエピソードです。

【ぶっとんだ濃いキャラクターとユニークな設定】


アシベの名前は芦屋アシベ。ナスビ頭が特徴です。あけっぴろげな性格で色々な人とすぐに仲良くなれる明るい少年。声が大きく、泣き声で近所の人が起きてしまうほど。そして庶民的な少年には絵の才能があったりするんですよね。後々ネパールに転校するという壮大な少年時代を過ごすという設定です。

アシベの父ちゃんは大工。でべらんめぇ口調で庶民的に見えますが、実はケンブリッジ大学を卒業した大企業の御曹司という思いもつかない人物設定になっています。
それからアシベの親友の阿南スガオは、ちょっと怖そうな顔をしていて無口で無表情。普段は感情が表に出ることはありませんが、アシベが転校後、ナスビを見るだけで、思い出し涙を流すくらいアシベのことが大好き。

【少年アシベの魅力はやっぱりゴマちゃん!】


ゴマちゃんは「キューキュー」としか鳴きませんが、それだけで色々な感情表現をしています。
でもみんなゴマちゃんの扱いが非常に雑。枕にされたり、クッションにされたり、さらにはゴキブリを退治する時の道具にされたりと意外とひどいめに遭っているんですよね。
白くて小さくて可愛いので、可愛がられているはずなのですが……

【なごみ系アニメの代表格?!】


作品をよく見ると登場人物が変わっていたり、いきなり変な人が登場したり、嫌がらせをする人がいたり、シュールな展開は続きますが、当時は違和感もなくそれらを受け入れてしまう自分がいたものです。独特なほのぼの感が印象に残る不思議な作品。今みかえしてみたら、気になるところ満載で結構ハマってしまうかもしれません。
「少年アシベ アシベとスガオとゴマちゃんと」