変態仮面より変態?よくぞ実写化した永井豪「けっこう仮面」
『けっこう仮面』画像はAmazonより

“どこの誰かは知らないけれど、カラダはみんな知っている”
「頭隠して尻隠さず」とは真逆の「顔は隠して身体隠さず」の精神で悪を成敗する『けっこう仮面』という正義の味方がいた。赤いマスクで顔を隠しつつ体は全裸で敵を成敗する驚きの女性ヒーロー漫画『けっこう仮面』は、『デビルマン』や『マジンガーZ』といった名作を生み出した漫画界の巨匠・永井豪が75年から月刊少年ジャンプで連載した作品だ。


90年代にまさかの実写化…よく頑張った!


78年の連載終了から13年の時を経た91年、『けっこう仮面』はまさかの実写オリジナルビデオとしてリリースされることになった。

全裸(しかもナイスバディ)で戦う時点でエロいのだが、『けっこう仮面』の必殺技はとにかく過激だ。いくら時代がゆるかったとはいえ、少年誌でそれを出していいのかというレベルにエロかった。実写でそれを再現できるのか? いや再現していいものか? それだけが実写化を巡る論点だった。

それはまったくの杞憂に終わった。彼女には「おっぴろげジャンプ」という必殺技がある。その名の通り、ご開帳よろしく大開脚した状態で敵の顔めがけて飛びかかるという技だ。
こんなもん、漫画だからできる技だと思っていたが、まさか実写で完全再現してしまうとは…まさに衝撃である。

「おっぴろげジャンプ」を食らった敵は、みな笑顔で「けっこう…」という最後の言葉を吐き敗北するのがお約束。実写ビデオ第1弾ではその技が披露されたのは1度だったが、ポール牧扮する敵の親玉「サタンの足の爪」が幸せそうな笑顔を見せていた。もしも自分が悪として成敗されるのであれば、このような最期を迎えたいと本気で思ったものだ。


ゆるい時代だからこそ許されたチラリズム


オリジナルビデオ作品だからなのか、90年代というゆるい時代だったからなのか、実写版『けっこう仮面』は見えそうで見えない(見えてる?)際どさで、裸体から目を離すことを許さなかった。

もちろん「おっぴろげジャンプ」においてはこれでもかというほど大きなボカシが入るものの、それ以外のシーンでは、ボカシのようなものはほとんどなし。
一体どうなっているのかと、検証と称して何度もコマ送りしたものだ。

『けっこう仮面』は90年代だけで3作、2000年代には7作ものオリジナルビデオ作品が制作されているのだが、出演者を見るとそのすべてでけっこう仮面の正体は「?」となっている。声の出演女優はクレジットがあるが、マスクをしている体の主は明示されていないのだ。筆者が元気な間にその正体を暴くことを目標に、定期的にこれらの作品を見直すことにしよう。

(空閑叉京/HEW)