今年10月、お笑いトリオ・ロバートの山本博が、かねてから趣味で続けていたというボクシングのトレーナーライセンスを取得したことが報じられた。ロバートといえば、2011年の「キングオブコント」で優勝した経歴を持つなど、お笑い界でもその卓抜したコントに定評がある。
そんなかれらの魅力を世間に知らしめた番組といえば、2001年から2012年まで放映された「はねトび」こと「はねるのトびら」(フジテレビ系)だろう。

「ピンクハレルヤ」って覚えてる?


そんな「はねトび」で、ロバート山本がヴィジュアル系バンドのボーカルに扮していたことを覚えているだろうか? そのバンドとは、「ピンクハレルヤ」。番組内のコント、「黒族」と「ピンクハレルヤ物語」のなかで登場した架空のヴィジュアル系バンドである。

メンバーは、ロバート山本扮するREIJI(ボーカル)、インパルス板倉扮するYUJI(ギター)、そしてドランクドラゴン塚地が扮するCHOSAKU(ドラム)の3人編成。初期のX JAPANを彷彿とさせる奇抜な風貌は、90年代ヴィジュアル系の完全なるオマージュと言ったところだろう。

コントが面白すぎてバンギャル悶絶


さて、そんなコント「黒族」と「ピンクハレルヤ物語」は、ヴィジュアル系ファン、通称・バンギャルが悶絶するほどよくできたものだった。「黒族 追っかけに命賭けてます」は、2002年9月から放映され、「ピンクハレルヤ」の熱狂的な信者である古参ファンの女性(ロバート秋山&馬場)と、「新規」ファンであるキングコング梶原の掛け合いを描いていた。

定番の流れは、このファン3名がコンビニで突如興奮しだし、ピンクハレルヤの楽曲を歌い踊りながら、暴れるというもの。ツッコミ役として登場し、彼女たちを戒めるコンビニ店員・インパルス堤下との温度差が、なんともいえず緩急があり面白かったことを覚えている。

さらに翌年の2003年6月からは、「知られざる素顔 ピンクハレルヤ物語」の放映がスタートし、「ピンクハレルヤ」の知られざる過去や私生活が描かれた。こうして、コントから生まれた架空のバンド「ピンクハレルヤ」は、実在するバンドかのようにその物語世界を拡張していった。

V系のイベントにも出演! MIYAVIやDAIGOと共演も


そんな彼ら、じつは実際にCDデビューも果たしている。2003年8月、「お台場冒険王」にてシングルCD「Bloody Angel」が1500枚限定で発売され、即完売。その後もタワーレコードにて追加販売され、ネット配信も行われた。
かくいう筆者も、この曲を当時のケータイの着メロにしていた(黒歴史)。

♪ブラッディーブラッディー! 陰口叩く〜神様ぁ〜! と、ケータイが鳴っていたのは、良い思い出である。

その後もピンクハレルヤ人気は止まることを知らず、2004年の12月28日に開催されたヴィジュアル系バンド専門雑誌主催のフェス、「Beauti-fool's Fest 03」(東京ベイNKホール)にも出演。同イベントでは、現在、世界的に活躍するギタリスト雅-MIYAVI-や、ヴィジュアル系時代のDAIGOとも共演を果たしている。

今は亡きピンクハレルヤに、なぜだか想いを馳せてしまう今日この頃である……。さて、2004年に発売されたDVD「はねるのトびらIII」の隠しメニューとして、ピンクハレルヤの公式サイトを再現した「Pink Hallelujah Official Website 血の聖書」が収録されている。気になるという方は、こちらもチェックしてみては?
(ヤマグチユキコ)
画像:「はねるのトびら III DVD ポニーキャニオン」by amazon
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