ソフトバンクホークスの監督として就任1年目ながらも優勝した工藤公康。選手時代の工藤はいくつかの球団を渡り歩き、2000年に読売ジャイアンツに入団、その年の巨人の日本一に大きく貢献した。


長嶋茂雄の口説き文句


工藤は巨人にFA移籍する際、会見で「長嶋監督に博多の自宅まで来ていただき、『ジャイアンツで"男の花道"を飾ってくれ』という言葉に感動しました。その気持ちに報いようと思い、巨人入団を決意しました」と発言したことでもおなじみ。

工藤公康の発言は嘘だった?


しかし、工藤が会見で話した内容は嘘だと、当時発売された週刊誌上で関係者が否定しているのだ。
というもの、工藤は巨人入りを決意したという先述の「男の花道」発言は、長嶋が福岡にある工藤の自宅にアポなし訪問をした際に語ったと言われている。
これに対して巨人関係者は「アポなしはありえない。もし工藤がいなかった場合、あの長嶋さんに恥をかかせることになるからだ。それは絶対に避けなければならない」と否定。その上で元々、工藤の巨人入りはほぼ決まっており、"演出"という形で長嶋が工藤宅を訪問したと語っている。

工藤公康が嘘をついた理由


ではなぜ工藤は、会見で「長嶋さんからの言葉で入団を決意した」という嘘をついたのだろうか。これには巨人と工藤の双方の思惑があると記事内では指摘されている。
2000年前後の巨人といえば、金にものを言わせて注目のFA選手を獲得し続けていた。そのため、世間からも冷たい目で見られていたことも事実。
そのため、金任せの補強と言われたくない巨人と、金に釣られたと思われたくない工藤の思惑が一致したことで、「長嶋の誠意で工藤が入団」という美談に仕立て上げたのである。
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