1993年にスタートしたKー1は、それまでありえなかったドリームマッチを実現させた。そのスタイルはキックボクシングや空手、ボクシングなどさまざま。

さらに、格闘家たちも日本だけにとどまらず、世界の名だたる人物が集まっていた。数多くの有名選手の中でも特に実績を残した「四天王」を紹介していこう。

アンディ・フグ


フグの身長は180cmのため、2mクラスの怪物たちが集うKー1ヘビー級では小柄な方だった。だが、倒されても立ち上がるファイティングスピリット、そして極真空手時代に習得した必殺技「踵落とし」で活躍。
1996年から1998年のグランプリでは全て決勝戦へ進出し、優勝1回、準優勝2回という輝かしい成績を残している。また、フグの勝負スタイルは大半がKO決着だったこともあり、多くのファンを魅了した。
しかし、フグは急性前骨髄球性白血病を患い、2000年に死去。
まだ35歳という若さだった。

ピーター・アーツ


グランプリファイナル出場6回、グランプリ決勝トーナメント出場17回、グランプリ19戦連勝、9戦連続KO勝利など、数多くのKー1記録を残した。さらには、23歳の若さでグランプリ制覇という、最年少優勝記録まで樹立している。
一方、1990年代には3回のKー1王者に輝いたアーツであるが、2000年代に入ると優勝することができなかった。2015年に現役引退を発表。

アーネスト・ホースト


ホーストといえば、4回のKー1グランプリ制覇を誇る最多記録保持者。ホーネストの持ち味は長い足を生かしたハイキックやローキックのほか、右ストレートの破壊力もあった。また、足蹴りとパンチを絡めたコンビネーションの精度も高く、ミスター・パーフェクトと称された。

2006年以降はリングから遠ざかるも、2014年には現役復帰してピーター・アーツとのレジェンドマッチに勝利している。

マイク・ベルナルド


カミソリメーカーのCM「切れてな~い」でもお茶の間で人気を博したファイター。大柄な体躯から繰り出す豪腕ストレートは、強烈なインパクトを誇った。そんな一撃必殺とも呼ばれたパンチは、フグやアーツらをマットに沈めたほど。
ベルナルドは2000年限りでKー1を引退したが、白血病で病床にいるフグから「私の代わりに出場してほしい」と伝えられて、Kー1参戦を決意。予選トーナメントでは、3試合全てで1RKO勝利で優勝を果たす。

その後、2006年に現役引退を表明すると、2012年には自ら命を絶ち、42歳でこの世を去った。

現在のKー1は軽量級が増えているほか、Kー1甲子園やKー1チャレンジなど、国内のアマチュア参戦形式も存在する。日本から、かつての四天王を超す次世代の格闘家たちが誕生したら、再びKー1も盛り上がるはずだ。
(ぶざりあんがんこ)
ホーストにベルナルド、Kー1で活躍した「四天王」を振り返る!