1990年代半ば、ソニーの「PlayStation」、任天堂の「Nintendo 64」などと並んでゲーム業界の一時代を築いたのが、1994年にセガから発売された「セガサターン」。発売から20年以上経ち、今もなお一部では根強い人気を誇る「セガサターン」の歴史を振り返ってみよう。


1次世代ゲーム機「セガサターン」の特徴


セガサターンは、1994年11月22日に発売された。名前の由来はセガの第6番目の家庭用ゲーム機ということで、太陽系第6惑星である「土星(サターン)」にちなんでいるといわれている。当時、藤岡弘さん演じる「せがた三四郎」が登場するCMを覚えているという方も多いのではないだろうか。

忘れられない「セガサターン」の名作ソフト


セガサターンは滑らかな動きを生かし、格闘ゲームやシューティングゲームが多くリリースされた。また、アーケードゲームから移植されたタイトルも数多く、「バーチャファイター」シリーズや「KING OF FIGHTERS」シリーズ、「バトルガレッガ」などが人気を集めた。
特に「バーチャファイター2」は日本国内でセガ初のミリオンセラーを記録し、3D格闘アクションが家でも楽しめると多くのファンが喜んだ。

格闘ゲームやシューティングゲーム以外にも、「NiGHTS into Dreams...」「グランディア」「サクラ大戦」シリーズといった名作ソフトが次々とリリース。また、画面が一切表示されず、音声のみでストーリーが進んでいく異色作「リアルサウンド 風のリグレット」も大きな話題に。

なぜ「セガサターン」は姿を消したのか?


発売当初はPlayStationに先立って100万台セールスを達成し、好調な売れ行きを見せたセガサターン。しかしPlayStationで「ファイナルファンタジーVII」などの有名タイトルが発売されたこと、ゲーム機本体のコストダウンが困難であったことなどが災いし、徐々にPlayStationに市場を奪われるかたちとなった。
セガサターン事業は赤字を計上しつづけ、ついに1998年にセガは後継機「ドリームキャスト」の投入に踏み切った。これをきっかけにセガサターンの市場は一気に縮小し、2000年にゲーム機本体およびソフトの生産・販売が終了した。

「セガサターン」の今


PlayStationに市場争いで敗れたセガサターンだったが、今でもゲームファンからは根強い人気を誇っている。昨今のゲームと比較すると見劣りするのは否めないが、独特の世界観やよく練られたシナリオに、新たな驚きと感動を覚えることができる。なにより「他のゲーム会社と違うものを作りたい!」というセガの心意気が感じられるのだ。


発売当時、定価44,800円だったセガサターンも今では中古品が安価で手に入る時代となった。「あの頃は欲しくても高くて買えなかった」「そういえば、昔買ったセガサターン、今でも押入れの奥にしまってあるかも」……そう思ったら、久しぶりにセガサターンをプレイしてみるのもいいかもしれない。

セガサターン本体(グレー)
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