CM出演でのブレイクがトップアイドルへの登竜門とされた90年代初頭。その象徴となったのが「3M」と呼ばれた、宮沢りえ・牧瀬里穂・観月ありさの3人だ。

CM発のアイドルとして大人気となったこの3人に続くビッグネームといえば、やはり広末涼子ではないだろうか?
そもそも、デビュー作はあのCMだったりする訳で……。

初応募のオーディションでグランプリ!芸能界デビューへ


小学校に入る前から芸能界に憧れていた広末。雑誌で見つけて初めて応募したのがP&G『クレアラシル』のオーディションだ。詳しくは、1994年に開催された第1回「クレアラシルぴかぴかフェイスコンテスト」。
オーディションでは、自分の顔にペインティングすることで「ぴかぴかフェイス」を表現。さらに、自作の歌を披露する力の入りようだった。

結果、応募総数2,589名の中から初代グランプリを見事獲得。
翌95年にイメージガールとしてCMデビューすることとなった。
「自然体でいて、こちらの予想以上のものをやってのける。他の子とは違う何かを持っていました」
審査委員長の評価通り、自然体でピュアな輝きは圧倒的な支持を集め、トップアイドルの階段を一気に駆け上がっていくことになる。

広末涼子のパンツが見える?見えない? 話題になったポケベルCM


ブレイクのきっかけとなったのが、同じく1995年からスタートしたNTTドコモのポケベルのCMだ。
第1弾の「登場編」では、公園のタコ滑り台に乗っている広末の顔のアップからカメラがズームアウト。すると、立ち上がろうとした瞬間、ミニスカートの奥が見えそうな感じになるのだ。この見えそうで見えない絶妙なアングルに話題騒然!

「この子は誰だ!?」となったところへ被さる「広末涼子、ポケベル始める」のナレーション。
絶大なプロモーション効果により、名前と顔が爆発的に拡散していくこととなった。
ちなみに、このCMで広末が口ずさむ「ル~ルルルル~♪」という歌は、当時人気だった「渋谷系」の旗手カジヒデキの曲である。

「広末効果」でポケベル契約数もピークに!


続く「初ベル編」では、ミニスカ姿の広末が坂を全力疾走。陸上部だったので走るのは得意だったという彼女。逆に陸上のフォームに見えないように意識して走ったと語っていたのが印象深い。
ドラマにも出始めた時期であり、役作りにも意識が高かったことが伺えるエピソードだ。

その後も広末が好演するポケベルCMは、「湯けむり編」「母さんの自由編」と10種以上にも渡ってシリーズ化していく。
当時はポケベル端末のお買い上げ制度が始まったばかりとあって、CMも大量投下。
広末人気に拍車が掛かる中、ポケベル市場も拡大を続け、1996年には契約数のピークを迎えている。

その後も食品、飲料水、ゲームなどのCMやドラマでピュアな魅力を振りまいていくが、1999年の早稲田大学入学辺りから歯車が狂い始めるのはご存知の通り……。

スキャンダルも ブレイク後の広末涼子


デビュー曲『MajiでKoiする5秒前』では、「渋谷はちょっと苦手」と歌っていた彼女だが、金子賢と付き合っていた当時は渋谷在住のようで、結婚前の岡沢高宏との渋谷デートもスクープされている。
また、キャンドル・ジュンとの再婚後も渋谷での夜遊びがたびたび目撃されているうように「渋谷は大好き」になった模様である。

広末涼子で検索すると「奇行」がもれなく付いてくるのは残念な状況であるが、現在放送中のフジテレビ系ドラマ『ナオミとカナコ』では、親友の夫を殺害し完全犯罪を企むという難しい役どころを熱演中。

「ピュア」とは真逆のイメージが付いてしまった今の広末にしか出せない「凄み」が垣間見えるから必見だ。
(バーグマン田形)
エロティカ・セブン Single, Maxi