現在放送中の『火の粉』(東海テレビ・フジテレビ系列 毎週土曜日23時40分~24時35分)で『今週、妻が浮気します』以来9年ぶりの主演を務めるユースケ・サンタマリア。そんなユースケさんに今回、かつて出演していたフジテレビ系列ドラマでのエピソードや演技、『火の粉』のみどころなど色々と聞いてきました!
「怒りをパワーに」ユースケ・サンタマリアが語る演技と『火の粉』

ラッキーだった? ユースケ・サンタマリアの『踊る大捜査線』出演


ユースケさんは1997年放送の『踊る大捜査線』出演がきっかけとなり、広く世間に名が知られるようになった。ユースケさんは『踊る』出演は本当にラッキーなことだったと振り返ります。

いきなりあそこまでヒットした作品に出演できて、自分のラッキーさにびっくりです。当時は右も左も分からないときで自分の力で貢献できたとはまるで思ってないですし。現場では一番若手で、みんなから凄く良くしてもらえて楽しいだけでした。街を歩いていたら『真下!』と役名で呼ばれたこともありましたね(笑)」

撮影現場では、初対面のいかりや長介さん(2004年に死去)に対して「おいっす!」と挨拶したそう!
「いきなりそんな挨拶するなんてバカでしょ(笑)。知らないものの強みとはこのことですよ。でも、いかりやさんもイカしていてますよね。周りの人は真っ青な顔してたのに、それを笑ってくれたんです。
僕も最近では、いきなり若い人に無茶ぶりされたりすることもあります。少しムカッとする反面、昔の自分を見ているようで『なんかいいな』と思う。あの時のいかりやさんのように、そういう人に寛大でありたいと思います」

シリアスな役が多くなった理由は


『踊る大捜査線』出演以降、『お見合い結婚』や『花村大介』(ともにフジテレビ系列 2000年放送)などの話題作に出演。当時ユースケさんが演じる役柄は、うだつのあがらない印象だが視聴者が応援したくなる人物が多かった。
この時はバラエティ番組で始まったユースケ・サンタマリアという、分かりやすいイメージそのままに役が来ていたという感じですね」
「怒りをパワーに」ユースケ・サンタマリアが語る演技と『火の粉』

しかし近年では今回の『火の粉』も含め、シリアスな役を演じることが多くなった。それは一体なぜなのだろうか。

年齢が一番の理由だと思います。20代後半とかでやっていたような陽気な役は、いつまでもできないですよ。近年サイコパスな役が続いていますが、そういうのを凄くやりたいということでもなく、続いているのはたまたまです。人間は自分本位で物事考えるけど、普通の人は空気読んだりして自分を抑えて生きている。でも最近演じるのは、それらを開放しているような役が多いイメージですね

また、自身が演じる役に対する愛着をユースケさんはこう語る。
「特に自分の役は、僕が好きになってやらないで誰が好きになるんだというのが多いので、自分がやれる役は凄い好きで演じていますね。その役の一番の理解者であり、一番愛しているのが自分です

ちなみにこれまで演じてきた数多くの役の中で、特に気に入っているのは『お見合い結婚』の広瀬光太郎、『アルジャーノンに花束を』の藤島ハルとのこと。

役作りせず ユースケ・サンタマリアの演技論


今作の『火の粉』には原作の小説があるが、ユースケさんはドラマの話が来た後も一切読んでいないという。どういった理由からなのだろうか。
「読んだら得ることもあるかもしれないですが、考え方が固まってしまってあまり良いことがない気がするんです。もっと演技は自由であるべきだと思うんですね。あまり決め込むとつまらないなと」

ユースケさんは「演技は自由であるべき」という考えのもと、役作りについてもあまり意識したことがないのだとか。
役作りってなんだい? って感じですよ。
ファーストインプレッションが大事で最初に台本読んだ時に、こんな感じかと浮かんだものがすべてです。
それを凄く大事にして、具現化していくという感じかな」

「怒り」をパワーにしてきたユースケ・サンタマリア


3月31日に行われた『火の粉』の制作発表会見では、「車で1時間以上かかる場所での撮影に加えて、倉庫の中にセットを建てているので外よりも寒い。番宣で行った湾岸スタジオが暖かくて、逆に負けていられない、そこで撮影されているものの5倍面白いドラマを作ってやるという気になった」と語ったユースケさん。

その言葉通り、ユースケさんは怒りや反骨心を常にプラスの力に変えてきた。
「大人になるにつれて、周りの人間のありがたさとか凄く分かるけど、いつも何か妬んだりムカついたりしている自分がいるんですよ。自分のこと棚に上げてね(笑)。例えば面白いと思った話を他の人が演じていると、『俺を起用しないなんてセンスねえな』と完全な自分本位ですが、そう思いますから。
でも本気でそう怒っているし、それをパワーに変えるしかないんですよ。そうじゃないとただのやっかみで、みっともないだけなのでね。でも人間なんて欲望の塊のわけで、みんな言わないだけでそんなもんですよ」

また、ユースケさんは自身を「生涯ダークホース」と考えており、自分が主役だろうとなかろうといつでも大穴を狙っていると語ります。
「今凄く売れている超メジャーな人が主演で、脇役も豪華な人を起用しているような作品に勝てば配当が大きいわけですよ。大穴だから。ですからそういうメジャーなものより、反骨心のある作品が好きですね
「怒りをパワーに」ユースケ・サンタマリアが語る演技と『火の粉』
『火の粉』公式HPより

今作の『火の粉』も過酷な撮影に加え、遅い時間帯の新ドラマ枠ということもあり、ユースケさんは「反骨心の塊のような作品」と表現する。

遅い時間だから手を抜いているのかと、舐めてもらったら困るよと。それゆえに、レベルが高いことをやってやろうと思っています

『火の粉』の見どころは?


最後にユースケさんに今作の見どころをお聞きすると、「僕を見ていて欲しい」との回答が! その理由をユースケさんは次のように語る。
「今回の役は出ずっぱりなので、僕を見ていれば全部分かるようになってるんですよ。僕の役に共感できるかできないかが、凄く試されるかなと。僕でなくても誰かの役に感情移入して見て頂けると、より面白いと思います。誰に感情移入するかで全然違うテイストが味わえるのでは。あとはストーリーが本当に面白いから、そこが見どころです」

そんなユースケさんが主演を務めるドラマ『火の粉』は毎週土曜日23時40分より東海テレビ・フジテレビ系列で絶賛放送中です!

■『火の粉』番組公式サイト
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