7月5日、ベッキーがBSスカパー!の番組『FULL CHORUS』に出演し、167日ぶりにレギュラー復帰を果たしました。1月に起こったあの騒動からもう半年。
未だ『世界の果てまでイッテQ!』など、地上波のレギュラー番組へカムバックできていない事実が、芸能界という場所の難しさを物語っています。

そう、彼女のような元気で明るいハーフ系タレントなどいくらでもいるのです。ちょっと席を空けている間に、自分のポジションを他の誰かに奪われていく……。そんな繰り返される椅子取りゲームの螺旋を逆に辿っていくと、ベッキーと同様に男がらみで消えていったハーフタレントが一人、かつていたことを思い出します。それは誰かというと、こずえ鈴です。

ハーフ系タレントブームの先駆けだったこずえ鈴


フリーディア。それが今名乗っている芸名だそうです。
もともとこずえ鈴だった彼女が芸能界デビューしたのは、1990年代後半のこと。当初からバラエテイタレントを目指していたらしく、日本テレビ系の深夜番組『チェキラ!』のMCに抜擢されたのをきっかけに、一躍注目されます。
自身を「鈴ちゃんだよ!」と名前+ちゃん付けで元気よく名乗る様などは、これぞハーフ系タレントという天真爛漫さ。テレビ栄えするくっきりとした目鼻立ちを持ちながら、誰にでもフランクに接していくそのスタイルは、ベッキーよりも先に「元気の押し売り」を体現していたと言って良いでしょう。

こずえ鈴の父親は電子レンジの発明者


そんなこずえ鈴が人気バラドルとなるのに、そう時間は掛かりませんでした。『チェキラ!』でのブレイク以降、『電リクエルビス』、『ウチくる!?』、『music-enta』、『笑っていいとも!』など、数々のバラエティ番組に出演していきます。
ちなみに、この時期、ゲスト出演したトーク番組などで、自身の出自についてよく語っていたのですが、彼女は相当な“お嬢”のようです。
生まれはドイツ・ミュンヘンで育ちはアメリカ。父親はなんと電子レンジの発明に携わった研究者なのだとか。

そのため、家はリッチで、セレブな人脈にも恵まれていたのでしょう。2003年、知人の紹介で、アメリカの人気ロックバンド『グッド・シャーロット』のボーカル、ベンジー・マッデンと知り合うことになります。2人はすぐに意気投合。ちょうどその時、別れたばかりの俳優・袴田吉彦との恋愛を忘れ去る目的もあったのでしょうか。
こずえ鈴は彼に惹かれていき、ついには交際へと発展するのです。
ちなみに、ベンジーはパリス・ヒルトンの元彼で、キャメロン・ディアスの現夫。そんな世界的スターと浮名を流す男の女性遍歴に、我らが鈴ちゃんも名を連ねている……。日本人として、誇らしい気持ちになるというものです。

芸能活動を休止&渡米したこずえ鈴、ベンジーを追いかけて「留学」


同年、彼女は「留学したい」と事務所に訴えて、芸能活動を休止して単身アメリカへ旅立ってしまうのですが、どうやらそれはベンジーを追いかけるためだったといいます。事実、2005年には彼とカリフォルニア州で同棲していることが発覚。
全てを捨てる覚悟で恋に一直線になってしまうところは、ベッキーとそっくりです。
結局、ベンジーとは2006年に破局。恋に破れて日本に戻ってきたこずえ鈴は、事務所を移籍し、フリーディアと名前を改めることになったのです。

現在は、再び芸能界と距離を置いた後に渡米し、ロサンゼルスで暮らしているこずえ鈴。2009年には映像クリエイターの米国人と結婚し、2015年には第1子をもうけたようです。
そんな彼女の現在の職はファッションデザイナーと、そしてなんとYouTuber。
ファッション関連の動画を配信しているらしく、収入は日本でタレントをしていたときより、ずっと稼いでいるのだとか。

芸能界に“席”がない現状を鑑みて、いずれこの先輩ハーフタレント同様、ベッキーも別の分野に活路を見出すのでしょうか……。今はまだ、分かりません。
(こじへい)

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