そんな『シティーハンター』もやはり海外において93年に実写映画化している。
みんな大好きジャッキー・チェンが主演
香港を舞台に制作された映画『シティーハンター』の主演はジャッキー・チェン。そう、主演の冴羽リョウ役を日本人も大好きジャッキー・チェンが演じたことが大きかったのだ。原作となる漫画版では、冴羽リョウはスイーパー(始末屋)と呼ばれる裏稼業に従事しており、射撃戦を得意としている。しかし、ジャッキー・チェンが演じるとなると、銃撃戦より格闘戦。バリバリの格闘アクションをメインに物語が展開されていった。要は『シティーハンター』という名前を借りたジャッキー・チェン映画だった。
たとえばこれが、ずっと緊張感の続くシリアス展開満載な漫画の実写化だったら、いくらジャッキー人気といえど炎上案件だったかもしれない。しかし、原作漫画のほうもコメディ色が強いことが幸いした。思いのほかジャッキーの役柄とピッタリだったのだ。
まさかのストIIコラボに思わず笑顔に
香港映画版『シティーハンター』ではアクションシーンが数多く登場したが、なかでも最も笑えるアクションシーンとなったのは、当時爆発的人気を誇った対戦格闘アクションゲーム『ストリートファイターII』とのコラボレーションである。
劇中、ゲームセンター内で行われるバトルシーンで、ジャッキーが投げ飛ばされてストIIの筐体に突っ込んでしまう。すると、ゲームの世界にジャッキーが入り込んでしまうのだ。まさかのストIIの世界の乱入に唖然としてしまった観客は少なくないだろう。
さらに予想外だったのは、ジャッキーが春麗(女性ファイター)役として出現したことだ。筋肉質な体型なせいか、チャイナドレスがまったくもって似合っていない。衣装のスリットからチラチラと見え隠れする、たくましい太ももの無意味なセクシーさに殺意を抱く者もいたかもしれない。なぜ共演していた、当時18歳の後藤久美子に春麗役を譲ってくれなかったのか。なぜジャッキーなのか。このシーンだけは、いくらジャッキーが人気といえど、そこは後藤久美子一択だろう、ちくしょう。
2019年には4作目となるアニメ映画『シティーハンター』が公開を予定している。シティーハンターファンなら劇場版アニメの新作を待つあいだ、ジャッキー主演の香港アクション映画としての『シティーハンター』を見ておくと、思いのほかテンションが高まってちょうど良い気がする。
(空閑叉京/HEW)