80年代中盤から91年にかけて週刊少年ジャンプで連載された北条司による人気漫画『シティーハンター』は、4期に渡りテレビアニメ化され、アニメ映画も3作制作された人気コンテンツだ。

そんな『シティーハンター』もやはり海外において93年に実写映画化している。
それが香港映画版の『シティーハンター』。漫画原作の実写映画化はよほど役者がイメージとピッタリでないと原作好きからの大批判は避けて通れない道。しかし、同映画に限っては、ところどころでツッコミが入ることはあっても、厳しい批判に晒されることは少なかったように思う。

みんな大好きジャッキー・チェンが主演


ジャッキー・チェン主演の実写版「シティーハンター」が凄い!銃撃戦より格闘メイン
画像はAmazonより

香港を舞台に制作された映画『シティーハンター』の主演はジャッキー・チェン。そう、主演の冴羽リョウ役を日本人も大好きジャッキー・チェンが演じたことが大きかったのだ。原作となる漫画版では、冴羽リョウはスイーパー(始末屋)と呼ばれる裏稼業に従事しており、射撃戦を得意としている。しかし、ジャッキー・チェンが演じるとなると、銃撃戦より格闘戦。
バリバリの格闘アクションをメインに物語が展開されていった。要は『シティーハンター』という名前を借りたジャッキー・チェン映画だった。

たとえばこれが、ずっと緊張感の続くシリアス展開満載な漫画の実写化だったら、いくらジャッキー人気といえど炎上案件だったかもしれない。しかし、原作漫画のほうもコメディ色が強いことが幸いした。思いのほかジャッキーの役柄とピッタリだったのだ。

まさかのストIIコラボに思わず笑顔に


香港映画版『シティーハンター』ではアクションシーンが数多く登場したが、なかでも最も笑えるアクションシーンとなったのは、当時爆発的人気を誇った対戦格闘アクションゲーム『ストリートファイターII』とのコラボレーションである。


劇中、ゲームセンター内で行われるバトルシーンで、ジャッキーが投げ飛ばされてストIIの筐体に突っ込んでしまう。すると、ゲームの世界にジャッキーが入り込んでしまうのだ。まさかのストIIの世界の乱入に唖然としてしまった観客は少なくないだろう。

さらに予想外だったのは、ジャッキーが春麗(女性ファイター)役として出現したことだ。筋肉質な体型なせいか、チャイナドレスがまったくもって似合っていない。衣装のスリットからチラチラと見え隠れする、たくましい太ももの無意味なセクシーさに殺意を抱く者もいたかもしれない。
なぜ共演していた、当時18歳の後藤久美子に春麗役を譲ってくれなかったのか。なぜジャッキーなのか。このシーンだけは、いくらジャッキーが人気といえど、そこは後藤久美子一択だろう、ちくしょう。

2019年には4作目となるアニメ映画『シティーハンター』が公開を予定している。シティーハンターファンなら劇場版アニメの新作を待つあいだ、ジャッキー主演の香港アクション映画としての『シティーハンター』を見ておくと、思いのほかテンションが高まってちょうど良い気がする。

(空閑叉京/HEW)