芸能界屈指の歌唱力を誇る玉置浩二。
Mr.Childrenの桜井和寿曰く「最も尊敬するアーティスト」、山下達郎曰く「日本で最も過小評価されているミュージシャン」、さらにEXILEのATSUSHIが師事するなど、業界内での絶賛の声も多い、まぎれもない「天才」だ。


しかし、何とかと天才は紙一重。危うい奇行で名を馳せているのもまた事実。近年の話題は、青田典子との仮面夫婦疑惑やDV騒動、ライブの中断など、ワイドショーを賑わすネタばかり。本人の株は下がりっぱなしである。
芸能人としてもっとも華があったのは、やはり薬師丸ひろ子と結婚していた時代ではないだろうか?
80年代に角川映画の看板女優として一時代を築いた薬師丸ひろ子と、1991年にハワイで挙式。世間は大物カップル誕生に大いに沸き立ったものである。


しかし、その幸せの終焉も、いかにも玉置浩二らしいエピソードとなっていることをご記憶だろうか?

名曲大盤振る舞い!大盛り上がりの誕生パーティーが一転…!?


98年6月、都心のホテルで薬師丸ひろ子の34歳の誕生パーティーが開かれていた。
会場には芸能関係者ら約100人が集合、友人の森山良子や真田広之も出席。玉置浩二が司会進行を務め、往年のヒット曲『ワインレッドの心』や、薬師丸のデビュー曲『セーラー服と機関銃』などの豪華楽曲を披露。玉置が薬師丸のために作曲し、これが結婚に繋がる縁となった、87年リリースの薬師丸のシングル曲『胸の振子』も披露され、会場は大いに盛り上がっていた。

ところが、最後の最後にとんでもないサプライズが待っていた……。

パーティーの最後に突然、玉置浩二が離婚の挨拶


なんと、玉置浩二が「今日で別れます」と爆弾発言を投下したのだ。「心は通い合っているし、これからも通じ合うことでしょう」と穏やかに語ると、薬師丸も「そういうことです。(離婚)届けはこれから出します」と続いた。

たまらず、森山良子が「離婚するということ?」と問いかけると、玉置が「そういうことです。記者会見の前にお世話になった方々にお知らせすべきだと思いまして」と落ち着いた回答。

華やかな場が一変して、重苦しいムードとなり、困惑を隠しきれない参加者たち。誕生パーティーがまさかの「離婚披露宴」に変更してしまったのだから無理もない話である。

森山直太朗が音楽を志したのは玉置浩二の影響!?


ちなみに、玉置浩二と森山良子は一時期同じ事務所だった縁もあって、森山の家によく訪れるほどの仲。息子の直太朗とは一緒に風呂に入るほどの関係だったそうだ。

直太朗が音楽を始めたきっかけも、玉置の影響が大きい模様。
「玉置さんがギターを持ってビートルズとかを歌ってくれるんです。でたらめ英語でノリ一発なんですけど、歌声がとにかくめちゃくちゃカッコいいんですよね。それがすごく具体的に、音楽をやる上での自分のルーツになっていたりするかもしれません」と、直太朗自身も語っている。
「でたらめな英語でノリ一発」、“いかにも”なエピソードである。

玉置と薬師丸の離婚原因には様々な理由がささやかれているが、筆者的には「離婚披露宴」自体が「ノリ一発」だった気がしてならないのである……。

(バーグマン田形)

GOLDEN☆BEST 玉置浩二 1993-2007