主演のNHK大河ドラマ「真田丸」も好評価をキープしたまま最終章を迎えつつあり、今年も絶好調の堺雅人。
CMにドラマに今やテレビで見かけない日はないほどの人気俳優だが、堺雅人の芸能界でのブレイクは遅咲き。


2013年の大ヒット連続ドラマ「半沢直樹」でのキメゼリフ「倍返しだ!」が新語・流行語大賞を獲得したのが最近のひとつの大きな転機といえるだろうが、最初の転機は2004年に出演した大河ドラマ「新選組!」での山南敬助役だろう。
現在放送中の大河ドラマ「真田丸」と同じく、脚本は三谷幸喜。「新選組!」で演じた山南の、見下すようでもあり、見守るようでもある笑みは、その後の役柄にも大きく影響するトレードマークともなった。

もともと早稲田大学の劇団出身の堺雅人。90年代はテレビ出演よりも舞台を中心に活動していた。そんな90年代の堺雅人の活動として特筆しておきたいのは、声優としての演技だ。

そして堺が声優としてキャストをつとめていたのがあの名作、『こちら葛飾区亀有公園前派出所』だったのだ。

「白鳥麗次」を演じた堺雅人


堺雅人が声を演じていたのは、『こち亀』の登場人物「白鳥麗次」。1996年から2001年までの、初代の声優をつとめた。
白鳥麗次は大金持ちのナルシストだが、毎回金持ちぶりをアピールし、登場のたびに貧乏人に転落するというちょっと痛いキャラ。出番は多くはないが、かなり強い印象を与える登場人物だ。
鼻につくが憎めないキャラクターと堺の声はぴったりマッチしており、ときにイケメン風に、ときにコミカルに自在に声を操る堺の振り幅の広さに驚かされる。

ちなみに、実写版で白鳥麗次を演じたのはSMAPの稲垣吾郎。

『こち亀』が惜しまれつつ最終回を迎えるというニュースもあった今年。大河主演の堺雅人と『こち亀』、そして何かと話題のSMAPは、奇遇にもすべて2016年を象徴するキーワードといえるのではないだろうか。

声優として高い評価を得た堺雅人


堺雅人は『こち亀』以外にも、SF作家の神林長平の小説が原作となったOVAの『戦闘妖精・雪風』(2002年〜2005年)の主人公・深井零役を、また、ざまざまな日本名作文学をアニメ化した『青い文学』シリーズ(2009年、日本テレビ系)でも、『走れメロス』のメロスなど主演をつとめている。
本職の声優と並んでも遜色ない堺の演技は、声優として高い評価を得ているのだ。

ちなみに、堺雅人の妻である菅野美穂も、2014年のディズニー映画「ベイマックス」で声優に挑戦していた。
「ベイマックス」キャス役のアフレコではかなり苦戦したようだが、菅野は現在放送中のNHK連続テレビ小説「べっぴんさん」でもナレーションとして声の出演中。
可憐さはそのままに、やさしい母性も感じさせる声には、これからも注目が集まりそうだ。堺雅人と菅野美穂が声優として共演する日は来るのだろうか?
(空町餡子)

※イメージ画像はamazonより真田丸 後編 (NHK大河ドラマ・ストーリー)