夕焼けの翌日は本当に晴れか
こんな夕焼けに出会ったら、明日もがんばろうって気になりますよね
夕焼け。西の空一面が焼けるようにオレンジや赤で埋め尽くされ、とても幻想的な光景である。
どことなく寂しい気分になったりもする瞬間であるが、あの美しい夕焼けを嫌いな人はいないはず。

さて、「夕焼けが見えた次の日は晴れ」と言われているのをご存知だろうか。これは、一般的に天気は西から変化してくるので、日が沈む方向である西の空に太陽を隠すような厚い雲がない(=空が夕焼けになっている)場合、その翌日も晴れる、というなんとも単純な理論。例えば東京で見る西の空が地平線付近まで厚い雲がないということは、九州付近まで雨を降らせるような雲がないことを物語っている。九州まで雨雲がないのであれば、まあ、よっぽどのことがない限り翌日は晴れると思ってよい。

しかし、これには明らかな例外がある。
西の地平線付近までのどこかに「厚い雲がある」場合である。この場合、当然この厚い雲(=雨雲)が雨を降らすこともある。曇りや雨になる夕焼けもあるのだ。例外となる場合の見分け方は2つ。「赤黒い夕焼け」と「夕日の高入り」だ。

「赤黒い夕焼け」は、西の地平線までのどこかに雨雲がある場合に発生する。
雨雲がない場合の夕焼けは、西の空がオレンジから次第に赤くなるように空全体を焼きながら、徐々に濃い青色の夜空に変化していく。しかし雨雲がある場合、高い位置にある雨雲は底が赤く焼け、低いものは夕日を途中から覆い隠し、夕焼けが「赤黒い」色に変化してしまう。この「赤黒い」夕焼けが発生した場合は、西から雨雲がやってくるということを物語っており、翌日は曇りや雨になる可能性が高い。

また「夕日の高入り」は、夕日が高い位置で隠れてしまう現象だが、西の地平線付近に雨雲がかかることによって起こる。雨雲によって光が吸収され、地平線よりも高い位置で夕日が隠れてしまったように見えるのだ。この場合も、この雲が翌日には雨を降らせる結果になってしまう。


同じ夕焼けでも、よく見ると色付き方の様子に違いがあり、それによって明日の天気は大きく違う。「夕焼け」というだけでは予報はできないが、見方によっては確実に明日の天気を教えてくれるのである。まあ、赤黒かったり高い位置で見えなくなったり、なんとなく不気味な夕暮れ現象を見かけたら、疑ってみてもよいだろう。

今では携帯電話を持っていればどこにいても明日の天気がわかるというのが当然になっているが、たまには西の空に沈む夕日を見て明日の天気を予想してみよう。きっと明日の空を見るのが待ち遠しくなるはずだ。
(リップカレント)