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「赤富士」の瞬間

今年の冬は予想とは裏腹にずいぶん寒くなってしまった。それだけに、本当に春が待ち遠しい。富士山では、これからが雪のシーズンだ。南岸低気圧の通る機会が増えると、積雪も多くなるのだ。真っ白な富士山が夕暮れ色に染まるとき……「赤富士」が現れるのだ。

赤富士といえば、葛飾北斎の絵画が有名。この絵は切手の図案にも何度か登場している。北斎の赤富士の正しい作品名称は「凱風快晴」というが、風薫る5月の夕暮れ(朝焼け?)に真っ赤に染まる富士山を見て感動し、この絵を描いたのではないかという気がする。

この絵はどこから見た富士山なのだろう。この富士山をよく見ると、宝永山が描かれていない。宝永山は1707年の大噴火の際に生じた山であるが、富士市から見た富士山には、向かって右側(富士山の東側)にはっきり認めることができる。また、作品中の富士山は向かって左へなだらかなスロープになっている。こんなところから、北斎の赤富士は静岡県側でなく、山梨県側から見た富士山ではないか? と思う。

実は私も、夕暮れ色に染まる富士山を見て、「あ、これが赤富士なんだな。」と今更のように感動を覚え、このコネタを書くことにしたのだ。白い富士山を見慣れている私には、富士山のちがった側面を発見でき、喜びを得ることができた。しかし、写真のような雪をかぶった富士山が夕焼けで赤くなる場合は「紅富士」とよぶ地方もあるようだ。その意味で赤富士とは違うものかもしれない。でも、このように美しく染まる富士山を見る機会はあまりない。

このような富士山を撮影するには、いくつかの偶然が重なることが必要だ。天気が良くても夕方は山に雲がかかることが多いし、夕焼けが現れるような気象条件も必要だし……それに仕事など時間的都合も合わなければダメだ。

天気図で説明すると、「西高東低」の冬型の時は富士山周辺は晴れやすいが、寒気が強すぎると雲が広がる。また、西日本が晴れていないと夕焼けは現れない。だから、寒気の中心が通り過ぎ「冬型が緩み始めた時」が狙いどころである。TVの天気予報で『明日は冬型が緩み……』という言葉を聞きつけたらチャンス!

こんな日は仕事を早く切り上げて、電線が近くにないスーパーなどの駐車場や郊外の野原へ急行するのだ。夕暮れ時5分ほどが勝負……! この写真、2月4日夕方にやっと撮ることができたのだ。(真夜中の予報士)

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