大賞受賞者には、副賞として応募作『chorus』のリメイク版、または完全オリジナルによる長編映画の監督権が与えられる。
受賞の瞬間、山城監督は「第4回はないのかなと思って去年ずっと待っていました。年末に『やるっぽいよ』という話が出て、正月に実家で脚本を書いて、2月に撮影しましたが、クランクイン前日まで直していました」と制作の裏側を振り返り、「昨日、ほかの候補作を見てダメかもしれないと思ったんですが、今日は沖縄から母とおばが来てくれているので、受賞を見せられて良かった」と笑顔を見せた。
授賞式には、審査委員長を務めた映画監督の清水崇と、6人の審査委員――タレント・俳優の堀未央奈、映像クリエイター・監督・声優のFROGMAN、ロックバンド・Base Ball Bearの小出祐介、映画ジャーナリストの宇野維正、作家の道尾秀介、タレント・映画監督のゆりやんレトリィバァ(※リモート)が登壇した。
清水監督は、「正直、悩みました」と選考の難しさを明かした。「『chorus』だけでなく、ほかにも素晴らしい作品がたくさんあり、委員の間でも意見が割れた。それでも最終的に『これは』という形で大賞に決まりました」と振り返った。
一方で、清水監督は講評で「第3回までにあった『こんなの見たことない』という衝撃は、今回は少なかった」と厳しい言葉も口にした。その上で「山城監督には長編デビューの暁には、僕やゆりやんさんが悔しがるような作品を作ってほしい」とエールを送った。
大賞受賞作の決め手となったのは、“最後の車のシーン”だったという。
小出は、観客に想像の余地を残す構成力を高く評価。「登場人物たちがおかしくなっていく法則がどこにあるのかを観客に想像させ、考えさせる余白がある。
清水監督も「普通、車が大破するシーンはCGも含めて大変なので、大作でしか見かけないけど、見せないことでうまくできている」と語り、堀もまた「想像ができない怖さって演出が難しいと思う」と山城監督のアイデア、演出方法を評価した。
ゆりやんは「『禍禍女』で映画監督デビューを経験してから作品を見る視点が変わった。人の数だけ怖さの表現や方向性があることを改めて感じた」と、刺激を受けた様子だった
■過去大賞受賞監督公開作品
第1回大賞受賞監督/下津優太 『みなに幸あれ』にて2024年1月19日商業映画デビュー、2作目『NEW GROUP』の公開を6月12日に控える。
第2回大賞受賞監督/近藤亮太 『ミッシング・チャイルド・ビデオテープ』にて2025年1月24日商業映画デビュー、2作目『5秒で完全犯罪を生成する方法』が9月11日公開予定。
第3回大賞受賞監督/片桐絵梨子 『夏の午後、おるすばんをしているの』にて2027 年商業映画監督デビュー予定
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