
チョコレートクランチの「冬のアナタ」である。
なぜこんなダジャレ菓子を? 販売者の「株式会社大藤」は、きっかけについて言う。
「横浜に何軒か卸しているんですが、夏前に取引先のキムチ屋さんに行ったとき、キムチチョコの横に、たまたまヨン様のブロマイドが置いてあるのを見まして。『こんなの売れるの?』と聞いたら、すごい売れるというんです。それで、自分たちでも何か韓流のものを開発しようと考えたのが、この商品で」
ヨン様で雪だるまというと、例のシーンを思い浮かべるが(そういえば、何かのモノマネ番組で、スマイリーキクチとイジリー岡田がこのシーンを再現していたのが秀逸だった…)、これは特に意識したわけではない。
もともと大藤では、スキー場の土産用商品を扱っており、スキー場に行く若い女性などをターゲットとして「雪だるま」をモチーフに使うことが多かったそうで、「ヨン様をやるにしても、本人の写真は使えない。だから、雪だるまで描いちゃえば?という単純な発想でした」。
つまり、狙いではなく、「たまたま舞台の中で雪だるまが出てきた」というラッキーな偶然だったという。
ダジャレのネーミングについても
「番組と同じ名前は使えない。他社さんでも『雪のソナタ』とか『花のソナタ』(?)とか、いろいろあるようなので、ウチはズバリ冬の商品ということで『冬のアナタ』にしました」。
今年の冬は雪が遅かったため、お台場など、都内で12月に先行発売したところ、販売見込みの3倍もの売り上げに。雪ダルマモチーフはスキー場商品のため、都内ではあまりウケないというが、こればかりは例外だったようだ。
ちなみに、この大藤はダジャレばかりを連発している会社ではなく、これまでに「景気回復まんじゅう」「純ちゃんガンバレ」のまんじゅう、ケーキなどのヒットをとばしている。
「純ちゃん商品も、かつてはとぶように売れたんですが、今はあんまり…」
当然といえば当然だが、お菓子の売り上げにも、個人の人気の浮き沈みはシビアにあらわれるもんですよね…。(田幸和歌子)