
そんな箱のコピーに、「なにが?」「なんで?」と半信半疑のまま買って帰ったのが、この「ふわふわコッコ」ちゃんである。
箱を開けると、ビニール袋に入った黄色のヒヨコ状のものが。
さっそく、机にヒヨコ用のスペースを作り、付属のわらの上に置いてみる。5分も経っていないが、ヒヨコが気になって仕事が手につかない。それでも辛抱して待つこと数時間……全体にうっすら白いモノが! さらに次の日、あきらかに白いうぶ毛のようなものが生えてきて……3日後には、立派なにわとりになったのだ。
この過程を見ていて、昔、冷蔵庫に見慣れぬライムがあると思ったら、ずっと前に買ったレモンに生えたカビだった、という哀しい事件を思い出したのだけれど、もちろんヒヨコに生えたのはカビではない。
「これは石けんで、この毛は石けんの結晶なんです。作ったときに密閉してるんですが、ビニール袋をあけると空気と反応して、この結晶ができるんですよ」と教えてくださったのは、株式会社マックスの菅尾さん。
なんでも石けんに入っている保湿剤によってこのような反応があるそうで、その組成について、マックスさんは10数年前に特許を取得。以来、「十二支石けん」として毎年出しているのだそうだ。でも、どれも毛のある動物だったっけ?……と考えていたところ、「へび年のときだけ、出さなかったんですけどね」と菅尾さん。
ヒヨコからにわとりになるのを楽しんだら、香りの置物に、最後は石けんに変身。それだけでもじゅうぶんエコロジカルな優等生なのだが、空き箱を半分切って屏風にするとか、にわとりになったらとさかシールで仕上げるとか、細かい心づかいがまたニクい。ちょっと気が早いけれど、年末に登場するという「犬」バージョンも、今から楽しみだ。
(矢部智子)
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