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新聞・テレビでよく見る「法廷画」は誰が描いているのか

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大阪地裁の法廷で裁判長に向かう林真須美/篠原ユキオさんは、これまで池田小学校児童殺傷事件の宅間守や、故中島らも氏の大麻不法所持の法廷画も手がけたとか(個人サイトはこちら)。

裁判のニュースを見るたび、気になっていたのが法廷のイラスト。「法廷画家」が描いていると聞くが、どうやったらなれるものなのか? 関西で法廷画家をする漫画家の篠原ユキオさんに、きっかけなどを聞いた。

「僕は学生時代からマンガ描いてて、新聞社のニュースマンガやカット、イラストルポをやってたんです。それで、和歌山カレー事件のとき『すぐに和歌山に行けて何でも描ける人』ってことで指名されたのが初仕事で」
 
デビュー作が林真須美とは! 実は関西では凶悪な犯罪が少なかったため、専門の人はほとんどいないのだと言う。また、東京の場合も「イラストレーターが3分の1、放送局や新聞社お抱えの図案・デザイン部の社員が3分の1で、残る3分の1が漫画家という感じですね」と言うように、資格や試験はないが、1カ月に何度も大きな裁判があるわけではないため、それだけで食べていける仕事でもないそうだ。

画材などの決まりは特になく、色鉛筆やマジックなど人によって様々だが、一番早いという理由から多いのが「下書き+水彩」というパターンだとか。確かに、テレビなどでよく見るのは淡い水彩のものが多い気がする。
 
篠原さんの場合、法廷画を描くのにかける時間はたった1時間。その流れは…

「午前10時の開廷時に入り、夕刊に間に合わせるには11時がリミットなので、10分ほどで法廷から出て、大きな裁判の場合は裁判所の記者クラブで、小さな裁判の場合は新聞社の支局に戻って仕上げます」

このめまぐるしい工程で、法廷にいる10分間で見るチェックポイントは「服装」と「髪型」とか。さらに、こんな問題もある。

「林真須美は、弁護人の前に座っていることが多かったので、正面から見えたけど、基本的にはほとんど傍聴席からは後ろ姿しか見えないんですよ。だから、正面の顔を見るのは、法廷に入ってきて着席するまでの15秒ほど。ひたすらジーッと見てチェックし、あとは少しでも横顔を見られるように一番端の席をとることにしてます」
 
ところで、ほとんど横顔しか見ていないのに、正面からの顔を描けるのは何故か、と聞くと、篠原さんは笑ってこう言った。
「漫画家は“見てない部分”も描けるからね(笑)。どんな角度からでも描けるんですワ」
 
限りなく絵の「速記」だ。短時間で特徴をとらえ、頭の中に記憶としてとどめて描くのは、まさにプロの技なのだった。(田幸和歌子)

2005年5月19日 00時00分

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