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「全治○カ月」はどんな基準か

なぜか昔はけっこう憧れた包帯姿。罰当たりですが……。

テレビや新聞でよく見る「全治○カ月」の表現。あれはどんな基準なのか、と友人に聞かれた。
「全部治るって書くくらいだから、完全に治ることじゃない?」
適当に答えてみたものの、不安になり、ネットなどで調べると、
「全治は、傷が完全に治る『完治』とは違う。全有効治療期間の略で、治療にかかると思われる期間」といった説明があった。
具体的にいまひとつピンとこない。たとえば、同じケガをしても、自分など、一般人の場合は生活にさして支障がない場合でも、野球選手などでは大問題だ。となると、「全治」の基準は私と野球選手で違ってくるのではないか。

気になったので、各新聞社に聞いてみた。まず朝日新聞社の場合。
「『全治』という言葉は、2000年までの『とりきめ集』にはあったんですが、それ以降は更新されていないようです。経緯ははっきりわかりませんが、近年は『全治』という言葉は使わず、『全治○カ月のケガ』という場合には単に『○カ月のケガ』とするか、あるいは、重症、重態など、より詳しい状態で分けられるようにしています。まだ徹底されていない部分もありますが……」

毎日新聞社では、
「事件・事故の関係で使うことが多いので、警察発表をそのまま使っています」
読売新聞社は、次のように説明する。
「治るのにどのくらいの時間がかかるかを記者自身が判断することはありません。通常、判断するのは医師ですから、病院で直接聞いたり、記者発表などで救急医などの判断を取材して、記事にするということになります。スポーツ選手などの場合も同様で、『全治』の意味は発表する側の判断といえるでしょう。ですから、新聞社が独自に『全治』の基準を持っているわけではなく、一般的には最も標準的な治療によって普通の生活ができる状態になるまでの時間ということになるでしょう」

では、医師が定める「全治」の基準はどうなっているのか。厚生労働省に聞いてみた。
「医師法を管轄するところで、カルテの記載や保存を定める『診療録』というのがあるんです。ここには住所・氏名・診療方法・内容を記入しているんですが、『全治』という言葉はないんですよ。『全治』はもともと、保険会社さんが『どれだけかかると治るのか』という基準で使っているものであって、たとえば私とおたくさんでは、年齢もおたくさんのほうが若いし、同じ擦り傷だって治りは違うでしょうしね」
ちなみに、文部科学省では「医学教育」を行っているが、おそらく「全治の定義」は特にしていないだろう、とのこと。

かなり主観的な「全治○カ月」。あくまで「目安」でしかないようです。
(田幸和歌子)

2005年7月20日 00時00分

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