「スーパーオレンジ」に「パープルゼブラ」、何の色なんですか
上がブルーマロンで下がスーパーホワイト。神秘的でなかなかキレイなもんでしたよ。この目で実物を確かめたい人は、ランドマークタワーへ。
「スーパーホワイト」、「スーパーオレンジ」に、「ブルーマロン」。にそれから「パープルゼブラ」……。

いかにもハデそうな色の名前がズラズラ並んでますが、これ、新色コスメや戦隊ヒーローではなく、ザリガニの名前です。

横浜ランドマークタワー69階展望フロアで、8月28日まで開催されている、高さ地上273メートル、“日本一空に近い水族館”こと、『空中すいぞくかん』。そこに、そんなカラフルザリガニが勢揃いしているのである。
ザリガニ以外にも、体の模様が「ルイ・ヴィトンそっくり」だといわれている「淡水エイ」(なぜか海のエイには模様は出ないらしい)や、死んだ人の魂が川に行ってこの魚になるという、漆黒のアマゾンの魚「ゴーストフィッシュ」、ゾウの鼻みたいにあごの伸びた「エレファントノーズ」などなど、世界の「怪魚・古代魚」、「面白い顔の魚たち」大集合イベントだ。

さてそのカラフルザリガニ、冒頭の4種に加え、「イリアンジャヤレッド」、「ブルー」、「オニテナガエビ」に、“今年の新色”「スーパーピンク」が加わって、全8種の展示になるという。
しかし“今年の新色”って、コスメかよ。
新たに発見された“新種”っていうんじゃないか? ザリガニは普通、赤だろう。
そもそもそんなカラフルザリが、自然界に生息しているんだろうか。

『空中すいぞくかん』におもむき、担当者にそのへん聞いてみた。すると、ブルーマロンやパープルゼブラなど、自然界にその色のままで生息するものもいるが、変異で生まれた色のものを掛け合わせて、白なら白に固定させていったりするものもいるというのである。ちゃんとザリ界にもブリーダーがいるのだ。
“スーパー”系3種と「ブルー」は、おなじみの赤いザリガニ=アメリカザリガニと同じ種類とのこと。
スーパーオレンジとかいう新種がいるんじゃなくて、要は色違い、カラーバリエーションなんだそうだ。
「錦鯉なんかと同じ。品種ですね」
キレイな色を定着させるには、「3年はかかる」こともあるらしい。飼育するにはデリケートな品種もいるらしく、なかなか大変そうだ。

そうやって生まれたものゆえ、新種ならぬ“新色”ということか。そのスーパーピンク、淡いピンクがけっこうカワイイ気もする。
名称も、学名じゃないのである程度好きにつけられるよう。
「(ブリーダー)本人は、『サクラ』と呼んでくれと言ってたみたいなんですが」

実はカラーザリ、ペットとしても結構人気あるよう。近所のペットショップを見てみると、青ザリや白ザリ、他にもロブスターなんかも並んでいる。
しかも、アメリカザリガニが、「優良血統」とか書かれて、2000円ぐらいで売られていたり。店員さんも、「やっぱり、違いますよね」と言っている。
いわれてみれば、別の水槽にいる普通のと比べると、赤もビビッドでキレイな気がしないでもない。


ドブや田んぼでいっぱいとれたザリガニ。血統で選ぶ時代になっているらしい。
血統かぁ……。
(太田サトル)