NYをストリートジャック! 「日本の祭り」復活
8月最後の日曜日、10年ぶりに伝説の「日本の祭」が復活。マンハッタン、イーストビレッジが、日本一色になっちゃった! 狭い道の両脇に懐かしい夜店風の露店が立ち並び、これでもかと集まった人で、立錐の余地もないほど込み合ったストリートは、まるで日本の満員通勤電車のようだぞ!

かつて、80年代後半から95年までイーストビレッジを中心に毎年開催され、全米各地からも邦人たちが集まり、最盛期には一日2万人を越す人出があったという「日本の祭り」。
日本のバブル経済崩壊とともになんとなく終わってしまったけれど、今年は、おばけメールマガジン「NY Nuts」 の主宰者であり、話題の本『NYに住んでも幸せになれない―ニューヨーク病を超えて』(現代人文社)の筆者でもある竹永浩之さんが、コーディネーターを務められて開催にこぎつけた。在ニューヨーク日本人としては、もう感謝感激雨霰であります。

祭りの主役でもある露店は、折り紙やヨーヨーつりや金魚すくい等、日本の夜店文化(?)を代表するものがズラリ。ストリートの一角に設けられた特設ステージでは和太鼓、空手、居合いのパフォーマンスが繰り広げられ、気分を盛り上げてくれる。でもポニーテールに袴姿がヒッピー風に見えるのは、ここがイーストビレッジだからかな。

ハイライトは、そろいのはっぴを着たイナセなお兄ちゃんたちが担いで練り歩くお神輿。しつらえられた神棚の前で神主さんが祝詞を上げ、お払いをしてお神酒を配る。ワッショイの掛け声も可愛い子供神輿が先陣をきって道を開けていき、カメラを抱えたお父さんお母さん達がぞろぞろとついていくのは、いずこも同じ光景でした。あー、日本の祭りだわ。感激のあまり涙で前が見えません。

お祭りに来ていた人に感想を聞いてみた。
「たまたま旅行で来てたんだけど、お祭りがあるのは知らなかった。
いろんな人種の人が集まっていて、さすがニューヨークって感じ」(20代 女の子 名古屋)
「NY歴の長いバイト先の人から話を聞いていたが、こんなにすごいとは思わなかった。なんかすっごいパワーを感じますよね。毎年続けて欲しいと思う」(20代 男の子 NY在住)
「日本のポップカルチャーには興味あったが、お神輿や、和太鼓のようなトラディショナルなものを直に見られてよかった。もし来年もあるなら自分もお神輿を担いでみたい」(20代 男の子 アメリカ人)
「こんなにたくさん日本人がニューヨークに居るとは知らなかった。初めて見た。浴衣の女の子がかわいい」(30代 男の子 アメリカ人)
なんとなく、みんなテンション上がり気味。

コーディネーターの竹永さんにもお話を伺った。
「『日本の祭り』が再開することになったのは、イーストビレッジ・アーティスト連合から、同イベントの中で復活させたいと声がかかったからです。個人的には、祭りみたいなイベントはあって当然だと思っていました。復活することで普通の状態(2001年9・11のNY同時多発テロ事件以前の状態)に戻るって感じでしょうか。」

参加した人も、遊びに来た人も、日本人もアメリカ人もそれ以外の人も、みんなで日本のお祭りを楽しんだことは間違いなし。なんでそんなに嬉しいの? とおかしく感じるかもしれないが、故郷は遠くにありて思うものなのさ。(チン・ペーペー)
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