「砂糖入り麦茶」って、ヘンですか?
イッパイひっかけた後に飲む「砂糖入り麦茶」も、紅茶感覚で、案外良いものです。
コネタって、食い方・飲み方ネタ、好きだよね、というツッコミはさておき。
昔は、遠足や運動会に持ってく飲み物の定番といえば、「砂糖入り麦茶」だった。
友達と弁当や飲み物を交換しあうとき、砂糖の入ってない麦茶の子がいると、心の中で、「カワイソウ」なんて思ったくらいだ。

それが、いつしか砂糖が入らなくなり、甘い味ともお別れ、泣く泣く大人の階段を上った気がしたが、そんな話を上京してから友人たちに話すと、必ず、
「砂糖入りなんて、気持ち悪い!」
「長野ってヘン!」
などと、散々な言われようである。

やっぱりおかしいのか、私? でも、試しもせずに「気持ち悪い」と言うのは、食わず嫌いではないのか? そこで、砂糖入り麦茶を作り、近所の友達5人、それから子ども6人に飲ませてみた。

飲む前の反応は、一様に「気持ち悪い」だったが、飲んでみると……。
「けっこうフツー」
「美味しい!」
「午後ティーストレートみたい」
と拍子抜けなほど、好評である。子どもたちにいたっては、並んでおかわりするほどで、
「ママに今度、作ってもらおう!」
という意見が相次いだ。
ほら見ぃ〜。

案外、砂糖入り麦茶は全然おかしくないんじゃないか。もしかしたら、長野に限らず、北海道や東北など、寒い地域ではみんな砂糖が入ってたりして……と思い、「ミネラル麦茶」でおなじみの石垣食品に聞いてみると、
「聞いたことはありますが、珍しいと思いますよ」
あれ?
「茨城の20代の友人が砂糖を入れていると、個人的には聞きましたが、その場にいたみんながビックリしてましたから。個人的にやってみようとも思いませんし(笑)」と広報の女性。え?
さらに、伊藤園の広報担当者が、
「麦茶は伝統的な飲み物なので、地域によってお好みの飲み方があるとは聞いてましたが、砂糖入りは聞いたことがないですね」
と言う。
やばい。
少数派、というより特殊な飲み方だったのか。

ちなみに、麦茶の飲み方よりも、「好まれるお茶」そのものに地域差はあるそうで、昨年の地域別・量販店ベースの売り上げから分析した調査では、
「北海道では、ほうじ茶。関東では、緑茶。近畿、中国・四国では、玄米茶がよく売れるという結果が出ています」とのこと。この傾向は昔からあったのだとか。

北国=砂糖入り麦茶説は玉砕したが、私の友人たちのように、
「飲んでみたら、意外に美味い!」
と、麦茶の新しい扉が開く人も、きっといるはず。
いや、絶対! おすすめです。
(田幸和歌子)