美容院で渡される雑誌は、どうやって決まるのか
美容院で渡される雑誌は、実は自分がどう見られているのかのバロメーターになったりする。
美容院に行くと、ファッション誌などを手渡されることが多いが、これは何を基準に選ばれるのか。

自分の場合、板前ばりのベリーショートにしていた数年前は、『装苑』や『流行通信』を渡されることが多かったが、ミディアムで無難な髪型のいま、たいてい『MORE』や『WITH』を渡される。
これって、なんとなく髪型による雰囲気で選ばれているのだろうか?

美容師さんに聞いてみた。
「厳密な基準はないんですけど、やっぱり年齢や見た目がポイントではありますね」
50〜60代なら『家庭画報』『ミセス』、20代なら『MORE』や『WITH』が多いそうだが、ビミョーなのは30〜40代。
「年齢的に30〜40代でも、結婚してる人なら『ミセス』でいいんですけど、独身の場合もあるので、既婚・未婚がわからない場合は、少し若向けのものにしています」
そのビミョーなラインに渡すのは『CLASSY』や『VERY』だとか。

雑誌選びは、年齢だけでなく、「見た目」のオシャレ度もやはりあるそうで、
「服装がモダンで、オシャレな人には『流行通信』や『装苑』を渡すことが多いですね」
ってことは、私は以前よりオシャレじゃなくなったっつーことかい。

気を取り直して、もう1つ。『25ans』なんかは、やっぱり巻き髪してたり、ゴージャスな女性に渡すんでしょうか。

「そうですね。ズバリ、見た目のゴージャスさ、セレブっぽさが基準。ただ、うちの店にはそういうお客さんがあまりいないから、今月から『25ans』を入れるのはやめました(笑)」

待ち時間にお客さんが手に取っている雑誌をチェックしたり、年齢や好みなどがよくわからないお客さんには、タイプ違いの2冊を渡して選んでもらうことも。また、「お酒が好き」とか「○○のお店が美味しい」などの話題が出たお客さんには『散歩の達人』や『dancyu』、家の話をしていた人にはリフォーム雑誌など、お客さんとの会話も参考になるそうだ。
「でも、いまだに何を渡すかはけっこう悩みますよ。以前、50代の女性に『家庭画報』を渡したら、『もっと若向けの雑誌が好き』って、怒られたんですよね(苦笑)。
それに、料理好きのお客さんに『オレンジページ』を渡したら、その号の特集が『長寿食』だったってことで、『私って、そんなに年寄りに見えるのかしら』と怒られたこともあります(苦笑)」

このように、美容師さんはいろんなことを考えて雑誌を渡してくれているわけだが、事情を聞いてしまうと、今後、渡される雑誌がすごく気になってしまいそうです……。
(田幸和歌子)