ご存知の方も多いとは思いますが、これは便器ではなく「ビデ」。そもそも、なぜ「ビデ」なるものが置いてあるのか。それは中世ヨーロッパの時代、ヨーロッパ人にはシャワーを浴びると言う習慣があまりなく、女性は「下」を清潔に保つためにビデで洗っていた。その名残が今も残っているのだ。
そこで、ふと思ったのが、旅先で、実際に、ビデを利用した人はどれぐらいいるのだろうかと。いや、使い方さえ正確に知らないのではないだろうかと。正直なところ、わたしもよく知らない。というわけで、知り合いのイタリア人女性に訊いてみた。まずは用途から。「ビデは、主に、女性器を清潔に保つために利用されるけど、大をした後にウォシュレットとして、また、足を洗うために使う人もいる」とのこと。
電動式ウォシュレットに慣れているわたしたち日本人にとって、入浴中ならまだしも、トイレで手を使って、あそこを洗うというのは、多少なりとも抵抗があるが、みなさんはいかがでしょう?
わたしが初めてビデを見たのは、10年前、イタリアのホテルで。ビデとはつゆ知らず、「イタリアには大用と小用の便器があるのか!?」と軽くパニックになったことを思い出す。一緒にいた友人もビデを知らず、ちょうどいいからと、果物をビデの中で冷やしていた。その後、友人はひんやり冷えたリンゴを皮ごと食べていたが、わたしは本能的に「それは違う。
(畑中美紀)