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“焼肉ロース絶滅説”を考える

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ハラミとロースは決して敵対勢力ではなく、もとは同胞。ハラミの独立を喜んであげようではありませんか。

以前、ある雑誌の編集さんたちと焼肉屋に行ったとき、こんな説を聞かされた。
「ハラミの台頭によって、ロース需要がどんどん少なくなってる。ロースはそのうち、絶滅するでしょうね」
エッ!? ハラミも好きだけど、やっぱりロースだって重要でしょう。そのときは、「ずいぶん奇天烈な話だなぁ」と思って聞いていたのだが、それ以降、気にしてみると、確かに最近、ロース肉がメニューから消えた焼肉屋もけっこうある。

以前、海原雄山も、ハラミの紹介をするとき、「わたしはハラミを知ったことにより、ロースだのカルビだのとこだわるのがばからしくなりました」と言っていた。
ロース、なくなっちゃうの!? 私の日常からロースの焼肉がなくなってしまったら……。食べる頻度を考えたらさほど痛手ではないだろうが、それでもやっぱり困る。

そこで、この不安を全国焼肉協会にぶつけてみたところ、
「チェーン店は未加入の協会ですので、チェーン店の傾向はわかりませんが」
と前置きしたうえで、広報担当者は以下のような話をしてくれた。
「もともと関東と関西では、脂身のとらえ方が違うんですよ。脂身が多いのが関西で好まれ、関東では脂身の少ないものが好まれる傾向があります。この"脂身の少ないもの"が、一般に言うロースですね」
そもそも昔は「ハラミ」というものはなく、「脂身が少ない肉」という意味で使われる料理名が「ロース」だったとか。
「『ハラミ』は部位的には内臓肉なので、目立った脂身はなく非常にやわらかいんですが、かつては『内臓肉』というと、格下のイメージがあったんですよ。そのため、本当はハラミであっても、『ロース』という料理名で出していた店がけっこうあったんです」

実は、飲食店の場合、部位名と料理名とが一致していることは少ないそうだ。調理の仕方によって、食感や脂の量が変わるため、同じ部位でも料理名が変わることは多々あるという。
「料理名は協会では特にしばりを設けていません。オーナーや調理人の創造の産物ですね」

では、なぜここのところ、ハラミが急に台頭してきたのか。
「最近では、やわらかくて口当たりの良い肉のニーズが高まっており、そこにハラミがピッタリとハマッたんですね。また、これまで『ロース』として出していた料理も、内臓肉が立派な肉として認知されるようになり、そのまま『ハラミ』という名前が使われるようになったということです」
つまり、かつては脂身の少ない肉の総称だった「ロース」から、ハラミが人気者となって、独立したということ。
モー娘。から後藤真希やらダブルユーが旅立っていったような感じか。たとえがちょっと古いけど。

時代の推移と、消費者の好みの変化により、一人前に独立したハラミ。
決して、ロースと敵対勢力でもなければ、栄枯盛衰の物語があるわけでもないのだった。
(田幸和歌子)

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2006年1月6日 00時00分

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