
まず何も問題がないのが、JRや私鉄と相互乗り入れをしている場合。そのまま線路が直通しているので、乗り入れ先から車両を入れれば良いだけなのだ。また、相互乗り入れをしていなくても、線路が繋がってさえいれば、そちらから車両を入れられる。
では、地下鉄以外の路線と線路が繋がっていない場合はどうなるのだろうか。そんな場合でもなにも問題はない。実は、地下鉄といっても車両基地は地上にあることが多い。地上の車両基地には、レールが地上から地下へと続くトンネルの入り口(写真上)があり、電車はそこから地下の線路へ潜っていったり、地上の基地に戻ってきたりするのだ。
さて、新しい路線には、全区間が地下の上に、車両基地も地下にあるといったところも多い。外部と線路がつながっていないので、車両を走らせて入れるということは不可能。でも、「電車の部品を駅から入れて、中で組み立てる」なんてことはない。どうするかというと、「穴から入れる」のだ。
なお、車両は深夜トレーラーに乗せられて、搬入口まで運ぶのが一般的だそうなので、もしかしたら夜の道路で電車と遭遇してしまうかもしれませんね。
ちなみに、昭和8年(1933年)の開業当初の大阪の御堂筋線の場合、車両は牛に牽かれて道路にあけられた穴(搬入口)まで運ばれ、そこから少しずつ地下へ下ろされたそうだ。トレーラーではなく「牛」を使い、大型のクレーンもなかった時代らしいエピソードだ。
みなさんも地下鉄に乗るときは、どうやって入れたのか考えてみ……なくてもいいか。
(もがみ)