居酒屋「白木屋」、しらきや? しろきや? 問題
はたして「ら」なのか「ろ」なのか。間違えて覚えてるひと、意外と多そうです。
居酒屋チェーン「白木屋」。これを「しらきや」と読む人は、案外多い。


正解は、テレビCMなどからも分かるように、もちろん「しろきや」。“ろ”じゃなく“ら”と言う人が多いのは、「白木(しらき)さん」「白井(しらい)さん」「白坂(しらさか)さん」とか、苗字で「白=しら」と読むケースが多いからではないだろうか。

お店の人に、「“しらきや”って言われること、多くないですか?」と聞いてみると、
「半分くらいのお客さんは、『しらきや』って言いますねぇ(苦笑)。でも、さりげなく『しろきやです』と言い直すことはあっても、私どもから『しらきやではありません』と否定することはありませんよ」
という。

ところが、白木屋の店舗に電話をすると、なぜか電話応対の人が「ハイ、“しらきやしろきや”です!」みたいに、店名を2回リピートするのである。
これは、「しろきやしろきやです」と、正しい名前を連呼して強調しているのか。
それとも、「しらきやしろきやです」と、両方並べて「この際、どっちでもいいよ」状態を宣言しているのか。
私自身、「田幸(たこう)」という苗字を正確に読まれることがほとんどなく、「たゆきさん」「たさちさん」「でんこうさん」、ひどいときには、田幸和歌子を「たこうわ・うたこさん」などとヘンなところで切られることすらあるのだが、いずれも訂正せずに受け入れている。めんどうくさいし。
また、漢字も8割ぐらいの人に「多幸」と書かれ、さらには、初対面なのに、
「惜しい名前ですねぇ。『田』じゃなくて『多』だったら、意味的によかったのにね」
と、いきなりダメ出しをされたこともあるが、それでも、「そうですね」と適当に返事している。
白木屋の電話の応対、「しらきやしろきや」も、似たような心境から生まれたのだろうか?

そんな疑問を直接、白木屋のひとにぶつけてみた。

「しらきやしろきやとリピート?……(しばし沈黙)ああ! 違います、違います!『 “いらくやしろきや”です』と言ってるんですよ(笑)」
“いらくやしろきや”。白木屋がかかげる名称「居楽屋」のことだ。ガーン!! 「居楽屋白木屋」、そういう名前なんですね。私、ものすごいカッコわる〜っ!
コネタにもほどがある空耳コネタでした。
(田幸和歌子)