○は快晴、●は雨……明治時代から使われている日本式天気記号、時代を追うごと少しずつ変わってきた。最近では昭和63年に「雷強し」「雪強し」の2つが追加され、現在21種類もの記号がある。そんなにあったの? 中には滅多に見られない珍しいものがあり、そのひとつが「ちり煙霧」という天気。以前、NHKラジオの気象通報を聞いて半年間毎日天気図を描き続けてみたが、スーパーマンのマークにも見えるこの記号を書けたのはたったの一度。
日本付近で「ちり煙霧」が観測されるのは、黄砂が降るときが多い。中国大陸から運ばれてきた細かい砂粒が空気中にフワフワたくさん浮かび、視界が2km未満になった時に「ちり煙霧」と名づけられる。「ちり煙霧」の定義は「ちり又は小さな砂の粒子が浮遊している状態」とされ、そのほかには火山灰などにより観測されることもあるが、過去にも非常に稀な現象である。
このところ、車に乗るたびフロントガラスがやけに砂っぽく感じられる。黄砂のピークは3〜5月。発生源である中国やモンゴルの砂漠地帯の雨が昨年来少ないため、今年は黄砂の量が例年になく多く「当たり年」になっているという。ということは、天気図で「ちり煙霧」に出会える可能性も高くなる。
(R&S)