あのドラマ、台湾ではタイトルがエライことに
よく見知ったドラマのタイトルも、全部漢字表記になるだけで、ずいぶん印象が変わります。
台湾では日本のドラマも大人気。街角や夜市の屋台などにも、日本のドラマの海賊版ソフトがたくさん並んでいたりするほどだが、そのタイトルは「そのまんま」なものから、「そうきたか!」と、思わずにやりとさせられるものまで、様々だ。


では、その中のいくつかをクイズ形式でご紹介したいと思う。ただし、中国語はよくわからないので、あくまで日本語的解釈です。悪しからず。

まず初級の『不公平』。これ、なんだ?
答えは、篠原涼子主演の『アンフェア』。

じゃ、『危険姐姐』は? 伊東美咲の『危険なアネキ』。
まんまなタイトルである。
『我的英雄老大』もけっこうそのまま、長瀬智也主演の快作『マイボスマイヒーロー』である。
もちろん本家『マイボス〜』のカタカナ表記は、明快で、イメージぴったりだが、漢字の『我的英雄老大』のほうも、勇壮で豪傑なイメージがあり、アグネスプリン争奪など、数々の仰々しくドラマティックな名場面を思い出させる、悪くない表記ではないだろうか。
で、『美味求婚』。こちらもそのまんま、長谷川京子、小出恵介の『おいしいプロポーズ』だ。

では、ここから中級編。

・『野猪大改造』
これは、堀北真希ちゃんと亀梨、山ピーの『野ブタ。をプロデュース』だ。直訳というより、ドラマの内容「ビフォーアフター」的意味から、“大改造”なのは、納得。でも、
「あれ? 豚じゃなくて“猪”なんだ……」と、意外な気がしたが、そういえば、中華料理屋のメニューに、豚肉料理を「猪」と書いていたりすることもあるから、そうなのか。

・『愛情調味料』
これは、そのまま考えると新妻の料理の隠し味か何かに思えるが、答えは『サプリ』。「栄養補助食品」としないところが、物語の趣旨をちゃんと汲んでいる。

・『不能結婚的男人』
これは素直に漢文的に読んでみましょう。結婚するあたわず(能は不)的、男人。そう。『結婚できない男』である。

続いて、いよいよ上級編。
・『大和拝金女』
ヒント。
前半の“大和”はそのまま、後半の“拝金女”は完全にドラマの内容から。
そう、松嶋菜々子の『やまとなでしこ』のこと。せっかくの美人さんが“拝金女”とは、とんだいわれよう……。でも、確かにそういう話だもんな。

では、ちょっと難しい、次は?
・『家庭煮夫』
これは阿部寛の『アットホームダッド』。アットホームという言葉自体は良い意味なのに、“家庭煮”というと、なんとなくくすぶった印象なのは、やはりドラマの内容に沿った当て字なのだろうか。
それとも直訳?
じゃ、これは?
・『愛上恐龍妹』
この上なく愛する? 恐竜のような可愛い女を? ジャイアンが妹・ジャイ子を思ってのことか? いや、違う。正解は、森三中・村上と稲垣吾郎の『ブスの瞳に恋してる!』だ。
正解を知ってから見ると、もう『ブス恋』にしか見えないから、うまい訳である。

では、最後に番外編。マンガで、映画化もされた、これ、なんだ?
・『死亡筆記本』
正解は、『デスノート』。
皆さん、いくつわかりましたか?
(田幸和歌子)