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名前もコンセプトもお堅い! 最強に堅いパンを食す

(上)レトロなパッケージ。
(下)箱裏の「軍人勅諭」を熟読の上、味わうべし!

個人的な話だが、堅いパンが好きである。バリバリ食べるフランスパンはもちろん、噛めば噛むほど味が出てくるライ麦系ドイツパンなどが好物。歯が痛くなったり、歯茎の裏が傷ついたりするくらいのほうが食べ応えがあっていい。魅力はやはりその味わい。素材本来の味をじっくり噛みしめて味わえるのは、堅いパンだと思うのだ。しかし、先日、「堅いパン」の概念を覆す商品に出会った。その名を「軍隊堅麺麭(ぐんたいかたパン)」という。

名前まで相当堅いこのパン、気になったので即、取り寄せてみた。パッケージはかなりレトロな雰囲気で、クリーム色の箱に、グレーの文字で漢字がならぶ。そして軍服に印刷してありそうな日の丸と星印。世界観はまさに軍隊。箱の裏面には「軍人直喩」なるものが書いてあった。『一、軍人は忠節を尽すを本分とすべし 一、軍人は禮儀を正しくすべし 一、軍人は……』と続く5か条。ふむふむ。

軍隊の心を学んだところで、中身を拝見。正方形のビスケット風だ。以前紹介された「堅(カタ)パン」に似ている気がする。中に入っていた注意書きには「少しずつかなづち等で割って、かまずにほおばりながら……」とのアドバイス。「かなづち」――堅いもの好きにはたまらないキーワードだ。とりあえずアドバイスを無視し、そのままチャレンジ。イメージでは「ガリッ」といくはず……うっ……。噛んで割れないどころか、びくともしない。歯を横にスライドしてみたが、歯形をつけることさえも困難だ。そのままいってしまったことに後悔しながら、しばらくほおばっていると、噛んでいる部分が次第に水分でやわらかくなってきて、ようやくパリン。破片を咀嚼しようとするが、これがまた大変。3cm×3cmくらいの破片を食べきるのにおよそ5分もかかってしまった。まるで瓦を食べているかのような感覚だ。割れる音が「パリン」なのだ。この音は決して、パンではイメージできないはず。

味は、素朴な懐かしいビスケット風で甘さ控えめ。黒ごまの風味が香ばしくて特徴的だ。よく噛むので、徐々にいい味が出てくる。これぞ堅いパンの醍醐味! 注意書きによると、コーヒーや紅茶に浮かばせたり、クルトンがわりにしてもよいとか。歯の弱い人は無理せず工夫して味わうべし。

このパン、大東亜戦争中当時の鯖江連隊より兵隊さんが木村屋さんに派遣され、軍人用のパンを焼いていたのをそのまま復元したものだとか。軍人さんはこんなに堅いパンを食べていたのだ。歯もさぞかし丈夫だったのだろう。
製造元は昭和2年創業の老舗パン屋さん「K.K.ヨーロッパン キムラヤ」。お店の方によると、この商品は約30年くらい前から販売しており、大きさ、原材料、パッケージもすべて軍隊のものをそのまま復元したものだという。発売当時は戦友会の集まり、慰霊祭のお供えなど、当事者の購入が多かったが、最近では保存食や登山の常備食として、また贈り物としての利用も増えているという。歯の丈夫な方なら、ちょっとおしゃれなギフトとして喜んでもらえるだろう。販売は主に福井県内だが、インターネットや地方発送でも入手可能。

キャッチコピーは『軍人(つわものども)の夢の味』。よく読むと、パッケージに『往事をしのんで味わってみてください。』とある。なるほど、軍人直喩を胸に刻み、鯖江連隊をしのんでゆっくりと味わうことにしよう。「軍隊堅麺麭」は、名前もコンセプトも、日本一お堅いパンであった。
(さくら)

「K.K.ヨーロッパン キムラヤ」HP

2007年5月26日 00時00分

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