
内訳を見ると、トイレ、風呂、炊事が約4分の1ずつを占める。節水するにはどうしたらいいか。一人暮らしで自炊もあまりしない筆者、トイレと炊事の水は減らせない。残るは風呂の水。そもそも風呂の水って、毎日替えなくてもいいんじゃないか。ということで、何日までなら水を替えずに、追い炊きの繰り返しで我慢できるか。実験を始めた。
お湯に入る前にきちんと体を流す。一人暮らしだと省略してしまいがちだが、お湯を汚さないようにちゃんとする。いつもなら湯船の中で足の裏の垢なんか取ってみたりするのだが、これも我慢。
2日目は全く問題なし。3日目に少し変化を感じる。水はきれいだが、ゴミや抜け毛がチラチラ。沸かすと少し臭いがして、湯船の底にヌメリが少々。こするとすぐに取れる。4日目以降はあまり変化がなく、まあ大丈夫、という状態が続く。変化が現れたのは9日目。臭い、ヌルヌル感ともにアップ。やばいかも。
結果としては、2日間は全く問題なし、8日間まではマアマア大丈夫、ちょっと我慢すれば2週間はいけるという感じ。計算してみると1日あたり約120リットルの節水になった。大きな成果と言えよう。しかし、気になるのは衛生上の問題。東京都福祉保健局に聞いてみた。
「何日も使い続けるのはいいとは言えませんね。家庭の浴槽は小さく、ひとり入ると大腸菌が出てきます。何日も使い続けると臭いも出ます。銭湯などでは循環消毒や錠剤による消毒をしていますが、一般家庭ではやらないでしょう。
ありゃりゃ。というわけで、皆様にはお薦めできない結果となってしまった。ところでこの実験、別の成果があった。「夏の日中、閉め切った部屋は何℃になっているのか」でお知らせのとおり、夏の留守宅は30℃以上になる。日中湯船に水を張っておくと、こもった熱が湯船の水を温め、水温も30℃前後になる。帰宅後、少し沸かすだけでお風呂が適温になるのだ。測ってみると、普段なら20分かかるところが9分で適温に。「出勤前に湯船に水を張っておく」こっちの方が実践的な節約と言えそうです。
(R&S)