「開栓後すぐにお飲みください」はどれくらい?
飲みかけのペットボトル、どのぐらい持ち歩きますか?
ペットボトルにある「開栓後はすぐにお飲みください」という注意書き。
あれって、どのくらい「すぐ」を指しているのだろうか。


この時期、たとえば、駅ホームでペットボトルの水を買い、一口飲んで持ち歩き、気づいたら、ほぼ「お湯」に……ということもけっこうある。
水やお茶なら「ちょっと不味いけど、いいか」と飲んでしまうけど、種類にもよるもの? また、「持ち歩く」「部屋に放置」など、開栓後の状態にもよるのだろうか。

社団法人・全国清涼飲料工業会に聞いてみると……。
「『開栓後すぐ』というのは、賞味期限内であっても、栓をあけると空気中の雑菌が入り、風味が落ちてくるため、書かれている注意書きなんですよ。ベストはやはり、その場で飲みきることですね」
と、企画部広報室の担当者。

また、飲み物の中でも、特に、果汁の場合は、「持ち運びはおすすめできない」のだそうだ。

「たとえば、果実飲料の場合、いったん栓を開けると、中身が発酵してしまい、容器が破裂したりする可能性もあるんですよ」
そういえば、果汁のペットボトルを飲みきれず、冷蔵庫に何日か入れたまま忘れ、捨てようとすると、「ボンッ」という音をたて、発酵したガスが出てくる……という経験をしたこと、ありませんか?

ところで、1.5リットルや2リットルなどのペットボトルは、一度に飲みきれないもの。その場合、「必ずキャップをしめ、冷蔵庫に保存してください」と言うが、これは「容器に直接口をつけて飲まない場合」が前提なのだとか。
「たとえば、500ミリリットルのペットボトルなどで、容器に直接口をつけて飲むと、唾液や口の中にある雑菌が中に入ってしまいます。容器に口をつける場合は特に、その場で飲みきることをオススメします」
でも、500ミリリットルでも、カバンに入れて持ち歩く人って、けっこう多いけど……。種類による? と聞くと、
「種類の違いなどは、各メーカーのお客様相談室にお問い合わせされたほうが良いかもしれませんよ」
ということだった。

で、次に、サントリー株式会社のお客様センターに聞いてみると……。

「当社の製品に関しましては、『開栓後すぐ』の目安は、容器に直接口をつけて飲む場合、『その日のうちに』と、通常、説明しております。ただし、容量の大きいものは、直接口から飲むのは避けたうえで、必ず冷蔵庫に入れ、2〜3日で飲みきることをおすすめします」
男性の場合、大型ペットボトルを冷蔵庫に入れ、取り出して、直接容器から飲み、また戻すという人も多そうだけど、これはNGのよう。

これ、水やお茶でもダメなんでしょうか。
「飲料は、開栓前は無菌状態になっており、栓を開けた途端、雑菌が入ります。中身がどうというよりも、栓を開けること、口から直接飲むことで雑菌が入るので、種類にはあまり関係ないんですよ」

ペットボトルの利点は、飲み切れないときにフタをしておけることなのに、水やお茶までも、容器に口をつけたら、できれば「飲みきり」が基本だったなんて……。皆さん、容器に直接口をつけて飲んだペットボトル、持ち歩いてませんか?
(田幸和歌子)