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NASAと「氷結」の意外な関係

ひごろ飲み慣れた缶にも、すごい技術が使われているんです。

アメリカ航空宇宙局、通称NASA。
ここで生まれた技術は、日常生活にかなり応用されている。

例えば有名なのが低反発枕。スペースシャトルの打ち上げで、宇宙飛行士にかかる重力を和らげようと作られた素材がもとになった。あと、搭乗員同士がワイヤレスで通信するための交信システムから、テレビリモコンなどのコードレス製品も生まれている。
NASAの高度な技術が身近なものにスピンオフすることは、珍しくない。

そのひとつが、缶チューハイ「氷結」などでおなじみの、側面がボコボコした缶だという。お酒とNASA、接点がなさそうな気がするけど……。
この缶について、販売元のキリンビールに聞いた。

「これは“ダイヤカット缶”といいまして、確かにNASAの研究を応用しています。製缶メーカーさんが開発し、開けたときに氷のようにパキパキッと音がすることや、冷たさや爽快感あるデザインなどから、氷結にこの缶を採用させていただきました」
氷結は2001年に販売が開始。最近では、キリンビバレッジの缶コーヒー「FIRE」の一部でもダイヤカット缶が採用されている。

開発した製缶メーカー「東洋製罐」に、詳しい話を聞いた。
「1960年代後半にNASAで行われていた、ロケットや飛行機などの強度研究がもとになっています。三浦公亮(こうりょう)さんという日本の方の研究で、“ミウラ折り”という物の強度を増す折り方を参考にしました。その論文を読んだ当社の研究者が、缶に応用できないかと考えたんです」

宇宙へロケットを飛び立たせるには、強度を保ちながら、ギリギリまで軽くすることが必要になる。当たり前だけど、普通は軽くなれば弱くなり、強くすれば重くなる。
これを実現させる難しさは、缶の世界でも同じだった。
軽量化でコストダウンを図りたいものの、それをすれば強度を下がり、もろくなる。そこで出会ったのが、三浦さんの考えた“ミウラ折り”だった。

ダイヤカット缶の試作品が完成したのは95年。もとは氷結のようなアルミ缶のためじゃなく、FIREのようなコーヒー缶のために作られたという。
「氷結のようなアルミ缶はこれ以上薄くするのは難しいですが、コーヒーなどの缶は、ダイヤカット缶にすることで30%の軽量化が実現できます。今はまだ設備の問題で、軽量化できていないので、材料コストを落とすのはこれからです」

パッと目につくデザインだけじゃなく、コストダウンが実現すれば飲料メーカーにとって大きなメリットになる。いやらしい見方をすれば、「資源を考え環境に配慮している会社です」っていうアピールにもなる。
メリットの多いダイヤカット缶が、これから増えていってもおかしくない。

エコな今の時代にもマッチしている、ダイヤカット缶。
缶を開けるとき、いつかパキパキッと鳴るのが普通になるのかもしれない。
(イチカワ)

2007年10月12日 00時00分

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