本のカバー、どうしてますか?
絵本は、本体とカバーのデザインが同じことが多い
先日テレビで、読書家として知られる名倉潤(ネプチューン)が本について話していたのだが、彼は本を読むとき、必ずカバーを外すのだという。理由は、ジャマになるからだそう。
ちなみに、ここでいうカバーとは、書店でくれるカバーではなく、もともと本についているカバーのこと。

たしかにあのカバーは読むときにはかさばる。私自身、本を編集する立場にいて、デザイン的な工夫を楽しめることもあるのだが、どちらかというとカバーはいらない派である。といいつつ、読む際にわざわざ外したことはなかったが。

もともとあのカバーというのは、本の表紙や本体を保護するためにつけられたもの。これには保管しておくための保護、という考えはもちろんあるだろうけれど、書店流通の便宜上でつけていることも多い。
たとえば返品されても、汚れてしまったカバーだけを取り替えて改装、また流通させることできるので、ほとんどの出版社ではカバーだけを多めに印刷しておくのが一般的だ。英語では「ダストジャケット」と呼ばれていて、ダスト(ほこり)をよけるためのジャケット=カバーというわけ。

とはいえ、wikipediaにも「本来は表紙を保護するためのものであったが、現在では書物の顔としてブックデザインの重要な要素となっている」とあるように、最近ではカバー込みのデザイン(装丁)で一冊の本としての価値があるという見方が強く、読む側も作る側も、デザイン的な部分を楽しむ傾向にあるようだ。

しかし、実際のところはどう扱われているのだろうか。さっそくまわりの人たちに聞いてみた。

すると、名倉潤のように、「読むときはジャマになるから外す」という人がけっこういたのだ。
中には、外したカバーだけまとめてビニール袋に入れて保管していた人もいて、全部読み終わって古本屋にだす際に、またカバーをつけるのだとか。なるほど、そうすれば、キレイなまま売ることができる。それにしても、本のカバーだけがたくさんビニール袋に入っているさまは、正直、変な感じだった。

また、「買ってすぐにカバーも帯も捨てる」と言ったのは、小さな子どものいる家庭。理由は、子どもがカバーをすぐびりびりに破いてしまうから。実際、子どもが読むような絵本のカバーは、本体と同じものを印刷しているものが多い。
つまり、本の保護にかわりはないが、実際に読む人が保管するための保護というよりは、流通上の保護としての役割が強いということだろう。

一方、「ジャマだから外すのではなく、カバーをきれいにとっておきたいから、持ち歩く際にはあえてカバーを外す」という人も。あとは、「読むときもカバーはつけたままで特に気にしない」という人、または、「装丁がキレイな本は大事に扱ってしまう」という人などさまざま。

とにかく中身(ストーリー)を読みたい人、本をモノとしてキレイにとっておきたい人、それぞれ本のジャンルや読み手の考え、読むとき、保管するときによって「カバー」の扱いはもちろん異なる。私は読むときは「カバーってかさばるな」と思いつつ、そこまで気にしたことがなかったので、今回「読むときは外す」という人が意外といたことにちょっとした驚きも。さて、みなさんはいかがでしょうか。

(田辺 香)