
さて、この理科年表の暦欄を眺めていると、面白いことに気がつく。1日って何時間? と問われれば、もちろん24時間なのだが、これは人間界でのお話。お正月のテレビや新聞で地球環境の問題が盛り上がっていたが、自然界、地球の1日は、実は24時間ではないのである。
東から昇ったお日さまは真南を通って西に沈む。真南で一番高く輝くことを「南中」というが、南中から翌日の南中までを1日として、理科年表でその時間を調べてみよう。すると、季節によって24時間より30秒ほど長かったり、20秒ほど短かったりすることが分かる。2月中頃までは24時間より長いので、地球の時計は人間界の時計よりどんどん遅れて、2月中旬には累計で14分も遅れてしまう。人間界で最近はやりの電波時計なら1日に1秒たりとも狂わないのに、実は地球って結構フラフラしている。
どうしてこんなことが起こるのか。地球は太陽の周りを楕円を描いて回っている。円じゃなくて楕円なので、季節によって回るスピードが少しずつ変わってしまう。
都会で暮らしていると、電車が2〜3分遅れただけでイライラしたりするもの。でも、我々が暮らしている地球の時計は、こんなふうに累計で15分ほど遅れたり進んだりしているのである。今年は少しおおらかな気持ちでゆこうと、理科年表を眺めながら、炬燵の中で思ったのでした。
(R&S)