子どもの頃って、どういうわけか寝言が多い気がする。

子どもを持つ親は、たいてい「うちの子、寝言がひどくて」と言うし、私の子どもの頃もひどかったらしい。
姉は子どもの頃、突然、目を閉じたまま大きな声でハッキリと「う○こ落ちてくる!」と叫び、一家を騒然とさせたことがあった。

自分の娘(小2)なども、先日、深夜に唐突に目を閉じたままハイハイをしながら「エッチラオッチラ」と言うので、何かの冗談かと思ったほど。
ちなみに、彼女の7年の人生のなかで、「エッチラオッチラ」などと口にするのを、少なくとも私は1度も聞いたことがない。

いったい何だったんだろう? どんな意味があるんだろう? 残念ながら、大人になると、こういった愉快な寝言がなくなるように思うが、なぜなんだろうか。
ロフテーの快眠スタジオ睡眠改善インストラクター・山尾碧さんに聞いた。

「確かに、子どもの寝言はよく見られます。
でも、どのようなメカニズムで寝言を言うのか、あるいは、どのくらいの頻度で言うのかなどは、実ははっきりとわかっていないんですよ」
ただし、寝言を言うのは、たいてい浅めのノンレム睡眠か、レム睡眠のときに見られる傾向なのだとか。

寝言には、うめくようなものから、はっきり会話しているようなものまで様々なバリエーションがあるが、
「基本的には異常がない場合がほとんどです。ただ、ストレスがあるときなどは、寝言を言いやすいようではあります」
そう聞くと、むしろ子どもよりも大人のほうが寝言を多く言いそうな気もするけど……。
「はっきりわかっていることではないですが、おそらく大人もストレスなどで、寝言をけっこう言っているのではないかと思われます。ただし、子どものようにそばで聞いている人がいないから、寝言を言っていても気づいていないだけということもあるのでは?」

最近は、核家族が多いこともあり、子どもの寝姿と違って、大人が寝る様子を見ている相手はいないというのも、背景にあるのかもしれない。

つまり、大人も、自分で気づいていないだけで、「う○こ落ちてくる!」級の寝言爆弾を炸裂させている可能性も、ないわけではないようです……。

(田幸和歌子)